米連邦捜査局(YURI GRIPAS/AFP via Getty Images)

FBI、中国電子決済端末メーカーの米事務所を捜査 サイバー攻撃関与か

米連邦捜査局(FBI)は10月26日(現地時間)、フロリダ州にある中国の電子決済端末メーカー・百富環球科技PAXグローバル・テクノロジー)の事務所に対して、家宅捜索を行った。

百富環球が香港証券取引所へ宛てた声明の中で、米連邦捜査局と税関国境警備局(CBP)の職員が26日、裁判所命令を実行し、同社のフロリダ子会社であるPax Technology Inc社のオフィスや倉庫から一部の物品を押収したと述べた。

米調査記者ブライアン・クレブス(Brian Krebs)氏はセキュリティ情報サイト「Krebs on Security」で今回の捜査を最初に報じた。今回の突撃捜査は欧米を対象とした「サイバー攻撃」に関連したものだと伝えた。

これを受け、同社は27日の香港株式市場で株価が前日比43.3%安と急落し、株式取引を一時停止した。

FBIはその後、地元メディアWOKVに宛てた声明の中で、裁判所が許可した捜査を行っているとし、海軍犯罪捜査局(NCIS)も捜査に加わっていると述べた。詳細情報は明らかにしなかった。

Krebs On Securityは信頼できる情報源の話として、米大手決済処理会社が同社の決済端末から発信される異常な通信データについて質問したことを受けて、FBIはPAXへの調査を開始したと報じた。

香港紙「東方日報」によると、百富環球は米側の捜査を「人種的、政治的動機」によるものだと主張しているという。いっぽう、米英の大型金融企業2社はすでにPAXの端末を自社の決済システムから取り除いたと報じた。

決済端末(POS端末)はクレジットカードでの支払いの際に、クレジットカード会社と加盟店の「仲介役」の役割を持つ。そこに悪意あるプログラムが植え付けられると、取引情報が流出する。

百富環球は香港に本社、中国・深センに研究開発センターを構えている。米フロリダ州、イタリアのミラノ、日本、韓国、インドなどに子会社を持ち、主に電子決済に使用するPOS端末や決済ソリューションなどを手掛けている。

同社の決済端末は世界100カ国以上で使用されており、これまでの累計販売台数は6000万台を超えている。

同社顧客には、銀聯(ユニオンペイ)、中国銀行、中国農業銀行、中国移動(チャイナ・モバイル)などが含まれる。

(翻訳編集・李凌)