米上院、個人情報保護強化に向け法案提出 中国の脅威を念頭に

2021/11/03
更新: 2021/11/03

米国の超党派の上院議員は2日、個人情報の保護を高める法案を提出した。議員たちは、米国人の遺伝子情報や健康状況などが中国共産党政権などの手に渡ることを脅威と捉え、監査当局の権限を引き上げることを求めている。

マルコ・ルビオ議員(共和党)とラファエル・ワーノック議員(民主党)は「Protecting Sensitive Personal Data Act of 2021(仮邦訳:2021年センシティブな個人情報を保護する法案」を発表。財務省の外国投資委員会(CFIUS)による監視権限を拡大して、個人情報を保持または収集する米国企業への外国投資の監査を強化する。

ルビオ議員によると、この法案は、遺伝子検査の結果、健康状態、保険申請などの機密情報を保護する目的がある。その他には、経済難情報や位置情報、プライベートな電子メール、政府の身分証明書を作成するためのデータ、信用報告書などが含まれる。

ルビオ氏は声明の中で、個人情報を扱う米国企業への海外からの投資について、米国人は「深い懸念」を抱くべきだと警告した。「米国人を保護し、この深刻な国家安全保障上の脅威を軽減するためには、これらの取引に対するCFIUSの監視権限を強化する必要がある」と法案の意義を訴えた。

ワーノック氏は、「有権者や政府機関の個人データや情報を悪用しようとする外国企業から守るために、全力を尽くさなければならない」と強調した。「外国からの投資は、中国のような敵対勢力が米国人の医療データを蓄えるために利用する法的手段のひとつであり、プライバシーと国家安全保障の両方のリスクを生み出している」とコメントした。

中国は長年にわたり、サイバーハッキングや米国のバイオテクノロジー企業への投資、病院や大学との提携などの手法を用いて、米国人の医療情報を大量に収集している。

米議員は、中国のゲノム解析最大手の華大基因(BGI)は、バイオテクノロジーや製薬産業に投資・買収していると指摘した。トム・コットン議員(共和党)らは9月30日、BGIが国の補助金を利用して「世界のDNA解析市場を弱体化させている」と訴え、バイデン大統領にBGIなどをブラックリストに指定するよう求めた。

国家防諜安全保障センター(NCSC)は2月、中国は膨大な量のゲノム情報を研究しており、米国を抜いてバイオテクノロジー分野を牽引する可能性があると指摘した。また、これらのデータは、軍事目的の研究に使われる恐れがあると警告を発した。

米国をはじめ国際関係担当。