中国深圳市にある塩田港(STR/AFP via Getty Images)

中国、船舶位置情報を大幅制限 世界サプライチェーンの混乱に拍車

中国で11月1日、個人信息保護法(個人情報保護法)を施行した。法施行によって外国企業への船舶位置情報の提供が大幅に減少したため、中国領海内の船舶の追跡が困難になり、グローバル・サプライチェーンの混乱にさらに拍車をかけた。ロイターは16日、海運業界の複数消息筋の情報として伝えた。

同法は、データを国外に提供する場合、当局による審査を必要とする。

同消息筋の話では、同法には船舶情報提供に関する規定がないにもかかわらず、多くの中国企業が外国企業への船舶情報の提供をやめた。

外国企業は船舶情報をもとに、混雑状況の予測や輸送ルートの最適化などを行う。

クリスマスシーズンによる貨物需要の急増、新型コロナ感染防止対策に起因するコンテナ不足・港の混雑・輸送コストの高騰・商品の供給不足など、サプライチェーンはすでに多くの課題を抱えている。

世界中で動いている船の位置、航路、最新の到着時間などをリアルタイムで観察できるオンラインサービス「マリントラフィック」を運営するMarineTraffic.comの責任者アナスタシス・トーラス氏はロイターに対して、この状況が続けば、サプライチェーンの混乱に拍車をかけるだろうと懸念を示した。

「(中国で)船がいつどこから出港するのかもわからないし、本来、自動船舶識別装置(AIS)から提供される港の混雑状況も掴めない」と同氏は話した。

AISは300トン以上の船舶に搭載が義務付けられ、船舶の位置情報を発信する装置。2人の関係者によると、中国ではAISデータがここ数日で45%も減少した。

中国北京に本社を構え、AISデータベースを運営するElane Inc.(億海藍)の社員は匿名を条件にロイターに対し、「10月から、外国企業へのAIS情報提供をすべてやめた。いまは国内企業にのみ提供している」と話した。

船舶分析ツール「VesselsValue.com」によると、10月28日〜11月15日まで、中国全海域の海運データが約90%も激減した。

世界のコンテナターミナルの上位10港のうち、6港は中国にある。貿易チーフアナリストのシャーロット・クック氏はロイターに対して、「こうした中国の(船の)位置情報データの提供制限は、海事サプライチェーンの透明性を著しく低下させる」と指摘した。

(翻訳編集・叶子静)