2012年10月7日、台北の国立国父紀念館で、台北101ビルの横に掲げられた台湾の国旗(Mandy Cheng/AFP via Getty Images)

中国当局、台湾の遠東集団に罰金 民進党への政治献金が原因か

中国当局はこのほど、環境保護などに関して違反行為があるとして、台湾の複合企業、遠東集団(ファー・イースタン・グループ)傘下の中国現地会社に対して8862万元(約16億円)の罰金を科した。台湾の立法委員(国会議員)は与党・民進党へ政治資金を提供する各企業への見せしめだと非難した。

国営新華社通信によると、上海市、江蘇省など5の省・市当局は、遠東集団が各地で投資するセメントや紡績会社が、環境保護や土地使用、従業員の雇用などに関する当局の規定に違反したとして罰金を科した。

中国で台湾政策を担当する国務院台湾事務弁公室の朱鳳蓮報道官は、22日の記者会見で「『台独(台湾独立)』を支持し、両岸(中国本土と台湾)関係を破壊する人が中国本土で金儲けすることを絶対に許さない」と述べた。

記者団から遠東集団への罰金は「『台独』分子及び関連企業などに対する処罰であるか」との質問に対して、朱報道官は上海市などにある遠東集団の傘下企業に違反行為があると強調しながら、「『台独』分子らが、両岸関係を破壊し、台湾海峡の平和と安定に危害を与えた」「彼らとその関連企業、及び背後にいる支援者に対して、必ず法に基づいて厳罰する」と述べた。

台湾メディア「信伝媒」の報道では、遠東集団は2020年の総統・立法委員選挙において総額6800万台湾ドル(約2億8146万円)の政治資金を提供した。各企業の中で最も多い。また、地元メディア「財訊」によれば、当時、遠東集団の徐旭東会長は30人の候補者に政治献金を行った。うち11人は国民党であるため、「民進党などの候補者への政治資金は、国民党の候補者より多かった」という。

台湾の陳亭妃立法委員は23日、中国当局が「台独」を巡って遠東集団罰金を科したことは、同社に「濡れ衣を着せた」と非難した。陳氏は「民主主義の国では選挙活動において、各政党が企業から政治献金を受け取るのは普通のことだ」と大紀元に語った。

頼士葆立法委員は、「中国当局のこのやり方は、民進党に政治資金を提供する企業への見せしめである」との見方を示した。

元智大学の高仁山副教授は、「中国当局は自分に都合がいいように、理屈をこじつけた」と批判した。同氏は、中国本土に進出している台湾企業は多く、その中の鴻海精密(フォックスコン)や台積電(TSMC)ではなく、遠東集団だけに罰金を科したのは「典型的な弱い者いじめだ」と指摘した。

「中国当局は半導体メーカーのTSMCや電子機器大手のフォックスコンなどに処罰を控えているのは、これらの企業が中国市場から撤退するのを恐れているからだ。中国製造業のビジネス環境が今悪化しており、欧米への輸出は大幅に減っている。この時に台湾企業が中国から撤退し、米国が再構築しているサプライチェーンに加われば、中国製造業の先行き不安が一段強まる」

高副教授は、中国当局による遠東集団への処罰によって、今後、台湾企業の対中投資がさらに減少すると推測した。

いっぽう、作家の顔擇雅氏は、公務員や国家機関の不正摘発などを担当する台湾の監察院が公表する各企業の政治資金提供情報は「中国当局に利用されている」と警告した。

(翻訳編集・張哲)