中国北京市にある中国共産党中央規律検査委員会のオフィスビル(AFP/Getty Images)

中規委、米サムズ・クラブを非難 新疆巡り外国企業への締め付け強化か

中国共産党中央規律検査委員会(中規委)は昨年12月31日、米小売大手ウォルマート傘下の会員制スーパー、サムズ・クラブについて、新疆ウイグル自治区で生産された商品を「悪意を持って取り下げた」と強く非難した。サムズ・クラブはこれを否定した。

同月下旬、米国ではウイグル強制労働防止法案が成立した。中国当局は今後、同法に従う外国企業への締め付けを一段と強める可能性がある。

中国の複数のメディアは24日、消費者の話として、サムズ・クラブのアプリで新疆産果物が取り下げられたと報じた。サムズ・クラブ側は、中共ウイルス(新型コロナウイルス)感染拡大の影響で、商品の欠品が続いていると説明した。

共産党機関紙・人民日報系列の環球時報30日付も、北京市と上海市のサムズ・クラブの店舗では、新疆産ナツメや干しブドウなどの青果食品は販売されていないと報道した。

中国共産主義青年団(共青団)と外務省は27日、相次いで非難した。また、一部の愛国主義者らはネット上で、サムズ・クラブの会員を退会したと投稿し、サムズ・クラブへのボイコットを呼びかけた。

共産党員の不正や腐敗行為などを取り締まる中規委は声明の中で、サムズ・クラブは「密かにすべての新疆産商品を取り下げた」と主張し、在庫がないというサムズ・クラブ側の説明は「人を騙し自らを欺くための言い訳に過ぎない」「背後には人に言えない目的がある」と激しく非難した。

中規委はさらに、「新疆商品のボイコットは、西側の反中勢力の新たな『カード』だが、絶対に失敗に終わるに違いない」とし、「愚かで短絡的な」サムズ・クラブには「必ずそのツケが回ってくる」と警告した。

同声明を作成した中規委の「陳麗」氏は28~31日までに3本の評論記事を発表した。うち2本は新疆ウイグル自治区関連だ。中国側は、国際社会の批判が起きている中国当局による新疆ウイグル人住民への人権侵害について、否定し続けている。

米国では23日、バイデン大統領の署名を経て、ウイグル強制労働防止法案が成立した。同法は、新疆ウイグル自治区で強制労働によって生産された製品の輸入を禁止すると定める。

「外資への取り締まりが強まる」

大紀元コメンテーターの王赫氏は、「現在の状況からみると、中規委の権限が無限に拡大していることがわかる」と指摘した。

中規委は党の路線を実行し、党幹部の汚職を取り締まり、党紀の整頓を監督するほか、「今はさらに政治的監督を行っている」と王氏は述べた。昨年、中規委は国内有名人のファンの「無秩序な文化」を痛烈に批判した。

王氏は、「中国当局はナショナリズムを、国民を結束させ、統治の基盤を固める基本的な政治手段と見なす」とし、「中規委はその立場から、時には企業に対して警告を行う必要があるのだろう」との見方を示した。

王氏は、共産党の最高監督機関である中規委の発言は「共産党最高指導部の考えや方針を直接反映する」とし、「中規委が強い態度を示すと、他の規制当局は一段と取り締まりを強化する可能性がある」と話した。

12月下旬、米半導体大手インテルが、新疆ウイグル自治区の製品を使わないよう取引先に書簡で求めたことで、中国国内では批判が広がっていた。これを受けて、同社は中国国内のSNS上で謝罪した。昨年、新疆問題を巡って、スウェーデンのアパレル大手H&Mも、中国の愛国主義者によってやり玉に挙げられ、国際社会に注目された。

「中国に進出しているすべての外国企業は中国当局の打撃の対象になるだろう。企業はグローバル・リスクを見直すべきだ」と王赫氏は述べた。

「ごろつきである中国共産党政権の本性はすでに表れている。企業を含め、われわれははっきりとした態度を取る必要がある。善か悪かを、あるいは正か邪かを選ばなければならない。曖昧になってはならない」

(翻訳編集・張哲)