2021年12月10日、世界人権デーに中国での人権侵害を理由に北京冬季五輪のボイコットを呼びかける人権活動家たち (Photo by SAM YEH/AFP via Getty Images)

中国共産党、北京冬季五輪を前に法輪功への迫害を強化

北京冬季五輪の開催が迫るなか、中国共産党政権は前回の五輪同様に法輪功学習者への迫害を再び強めている。過去20年間、法輪功学習者は中国共産党の最大の弾圧対象とされ、2008年北京五輪の際には100人を超える命が奪われた。

大会が近づくにつれ増加する拘束者数

カナダのカールトン大学に留学中の劉之源氏は12月29日、法輪功学習者の両親が北京の地下鉄でブルートゥースを使い法輪功の資料を配布したとして、当局に不法に拘束されたと大紀元に語った。厳しい検閲体制が敷かれる中国では、中国共産党による人権弾圧などの情報入手が難しいため、法輪功学習者は資料配布などで真相を伝えている。

劉氏によると昨年11月、警察は両親の家を家宅捜索し、携帯電話や法輪功の書籍を押収した後、2人を拘束。母親の曹雯氏は昨年末に釈放されたものの、依然として警察の厳重な監視下に置かれている。以前にも中国共産党に9年の懲役を不法に宣告され拷問を受けてきた父親の劉舟波氏は、今なお北京市第三拘置所に収監されているという。

「中国共産党は、北京冬季五輪を舞台にして、中国の新興国としてのイメージを高めたいと考えている。しかし、言論や信仰の基本的な自由すら与えられていない」と劉氏は述べ、法輪功学習者の釈放を訴えた。

2021年12月27日、北京公安局が発行した法輪功学習者・曹雯氏に対する処罰通知書(劉之源氏提供)

中国共産党は、政権の安定維持を理由に、法輪功学習者に対する迫害に拍車をかけている。中国国内の法輪功情報を伝えるウェブサイト「明慧ネット」によると、2021年の前半だけでも、一万人近くの法輪功学習者が警察による不当連行または嫌がらせを受けた。また2021年に、少なくとも1184人の法輪功学習者が不当判決により実刑を科せられた。

河北省張家口市公安局のホームページに掲載された文書によると、2020年には地方警備予算を前年比5.1%増額し、北京冬季五輪では4億8100万元(約87億円)を投入すると記されていた。当局が拘束対象とする5つのグループのなかには「法輪功」も含まれる。

2008年北京五輪

カナダの著名な人権派弁護士であるデービッド・マタス氏と映画監督のケイラン・フォード氏は、政策シンクタンク「マクドナルド・ローリエ研究所」を通じて論文を発表し、2008年の北京五輪は、法輪功に対する大規模で残虐な迫害行為が行われているさなかに開催されたと指摘した。

論文によると、北京五輪前には8000人以上の法輪功学習者が拘束され、少なくとも100人が拘束中の虐待により死亡したという。当時42歳の人気フォークミュージシャン于宙氏も含まれていた。

両氏は論文の中で、中国共産党の統治下の中国では「党への忠誠以外は許されず、党が規定するもの以外は受け入れられない」と指摘し、この独裁的な思考こそが「法輪功やチベット仏教徒、ウイグルのイスラム教徒、忠実なカトリック教徒、プロテスタントの地下教会信者を弾圧している理由だ」と述べた。

マタス氏は中国共産党が最も恐れているのは「中国での法輪功の人気」と「正しい信仰」だと述べ、法輪功に対する迫害は「党の権力維持を正当化するために、ある種の外敵を作る必要があったためだ」と大紀元のインタビューに答えた。