香港の中国軍駐留部隊トップに新疆武警高官を起用 民主派への弾圧強化か

2022/01/11
更新: 2022/01/11
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中国国営新華社10日付によると、中国軍の香港駐留部隊司令官に人民武装警察部隊(以下は武警)副参謀長の彭京堂少将が任命された。武警の高官が香港駐留部隊のトップに起用されたのは初めて。専門家は、中国当局は香港民主派への弾圧を強化する狙いがあると示した。

彭京堂氏は以前、中国軍済南軍区司令部の軍訓部長を務めた。中国メディアの報道によると、2018年、武警の新疆生産建設兵団総隊参謀長だった彭京堂氏は少将階級に昇進。

武警は新疆で主に治安維持、暴動鎮圧に当たっている。2009年7月5日に起きたウルムチ暴動事件では、武警がデモ隊を鎮圧した。中国当局の発表では、デモ隊と武警との衝突で、約200人の死者と1700人以上の負傷者が出た。

事件の発生から12年となった昨年7月5日、習近平国家主席は、武警新疆総隊の中隊を表彰し、「反テロの鋭利な刃中隊」との称号を贈った。

いっぽう、彭京堂氏は新疆で「山鷹」と呼ばれる対テロ精鋭部隊の訓練を率いたとみられる。2019年、同氏は中国官製メディア「環球時報」の取材に対して、2018年の1年間に「山鷹」部隊が使った弾薬の量は、新疆にある他の部隊が過去3年間に使った量の合計であると明かした。

中国当局は「新疆鎮圧モデル」を香港に導入する恐れがあるとの見方が広がっている。

台湾シンクタンク、国防安全研究院の研究者である侍建宇氏は米ラジオ・フリー・アジア(RFA)に対して、「中国当局が武警の高官を香港に派遣したのは、明らかに社会安定の維持を強化する狙いだ」と述べた。侍氏は、1997~2019年までの香港駐留部隊の主な役割は、国際社会に共産党政権による国家主権を示すことだったと指摘した。

侍氏は「彭氏が着任後、香港駐留部隊が治安部隊として活動する可能性がある」と懸念した。

2019年、香港では大規模な民主化デモが起きた。香港警察当局は複数回、ビーンバッグ弾や催涙弾などを使い、デモ参加者を強制排除した。

このなか、同年8月に複数の海外メディアは、中国軍の部隊は香港に隣接する広東省深セン市に集結したと報道した。また、深セン湾スポーツセンターの駐車場に数百台の軍用車両が止まっている様子がとらえられた。中国当局が香港の抗議デモに軍事介入する可能性について国際社会の関心が高まっていた。

北京市に住む民主化活動家、季風氏は、中国当局は完全に香港を掌握したため、香港では大規模な抗議デモが再び発生する可能性は低いとした。

「当局が彭氏を起用したことは、民主派などを引き続きけん制するためだ」と季風氏はRFAに語った。

RFAは、彭京堂氏の人物像は謎に包まれていると指摘した。これまでの香港駐留部隊司令官7人と違い、生年月日など、彭氏に関する情報は公開されていない。同氏が済南軍区から新疆に移動した時期や、また新疆総隊参謀長になった時期もわかっていない。

(翻訳編集・張哲)