中国共産党に向けて「軍事的冒険主義」を警告 台湾総統が新年談話

2022/01/13
更新: 2022/01/13

元旦総統府で新年の談話を発表した台湾の蔡英文総統は、中国共産党に向けて「軍事紛争は解決策にならない」と断言した。 

民主的に統治されている台湾を自国領土と主張する中国政府と中国共産党は、領有権主張を強化することを目的として過去2年間に台湾に対する軍事的・外交的圧力をますます激化させている。蔡総統の発言に対して、中国共産党は台湾が一線を越えるようなことがあれば「大胆な措置」を講じなければならなくなると警告を放った。

Facebookで生放送された2022年1月1日の談話で蔡総統は、「中国が情勢判断を誤らず、国内における『軍事的冒険主義』の拡大を防止するよう中国当局に注意を喚起する」と述べている。 

蔡総統はまた、独立国である台湾がその自由と民主主義を擁護することを繰り返し表明した。 一方、中国共産党中央委員会総書記を兼任する習近平主席は2021年12月31日に公表した年頭所感で、「祖国」との完全な統一は台湾海峡両岸(中台)の同胞にとって共通の願いであると主張している。 

ここ数か月の間、中国人民解放軍の軍用機が繰り返し台湾海峡上空を威嚇飛行している。台湾が脅威に屈することはないと述べた蔡総統は、「武力行使は台湾海峡両岸関係(両岸関係)を解決する選択肢には絶対になり得ない。軍事紛争は経済の安定に悪影響を与えるだけである」と強調した。 

地域の緊張を緩和するために、台湾と中国の両政府は「国民の生活を保護して安心感を高めることに懸命に取り組み」、問題の平和的解決を共に見出す必要があると、蔡総統は述べている。 

香港を支持する台湾の姿勢は変わらないと主張した蔡総統は、最近発生した立法選挙への干渉および香港の民主派オンラインメディア「立場新聞」の幹部や元幹部等が香港警察に逮捕された事件に言及し、「これで香港の人権や言論の自由に対する懸念がさらに高まった」と語っている。 

蔡総統はまた、「台湾は主権を堅持しながら、自由と民主主義の価値を支持し、領土の主権と国家安保を保護し、そしてインド太平洋地域の平和と安定の維持に取り組む」と述べている。

Indo-Pacific Defence Forum