首に鎖の女性、当局が4度目の声明 ようやく「人身売買」認める 夫らを拘束

2022/02/11
更新: 2022/02/11
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中国国内では、江蘇省の女性が首を鎖でつながれ監禁されていた問題をめぐって、波紋が続いている。地元当局は世論の圧力を受けて10日、4回目の声明を発表し、ようやく人身売買があったとして女性の夫らを拘束した。事件の経緯をめぐる説明は二転三転し、市民の不信感を増幅させている。

1月28日、中国国内SNS上で、徐州市豊県の女性住民が造りの粗末な小屋に監禁されている動画が投稿された。厳冬のなかで女性は薄着で、首には鎖が巻かれている。女性は8人の子どもを持つ母親でもある。

この動画は中国で高い関心を集めた。女性が人身売買の被害者だとする指摘が相次ぎ、地元政府に対して「犯罪グループを庇っている」と批判を浴びせた。

1回目、「人身売買はない」

1月28日に行った1回目の声明では、女性は1998年8月に今の夫と結婚したとし、人身売買の疑いはないと述べた。女性は「精神疾患を抱えている」という。鎖でつながれているのは「子どもや年配者に日常的に暴力を振るっていたため」だとした。女性の苗字は「楊」という。

ただ、女性は解放された後、「世界に見捨てられた」「この家の住民は全員、レイプ犯」と発言したことから、ネットユーザーは「本当に精神疾患があったのか」と声明に疑問を呈した。

2回目も人身売買を否定

同月30日に発表した2回目の声明では、楊さんは「1998年6月に物乞いをしていたところ、その夫の父親(故人)に引き取られた」という。「人身売買はなかった」と再び強調した。また、女性の苗字は夫が付けたものだとした。

この声明で、地元政府が一家に低所得者補助金などを支給していることが初めて明らかになった。

これに対して「精神疾患を抱えているのに、なぜ結婚を許可したのか」「一人っ子政策なのに、なぜ8人の家族に補助金を出したのか」と疑問視する声が殺到した。

3回目、「行方不明になったが家族に連絡せず」

世論の圧力を受け、当局は今月7日、3回目の声明を出した。

それによると、楊さんは雲南省の出身で、本名が「小花梅」だという。「『小花梅』さんは1994年に同省の住民と結婚したが、96年に離婚。その後、実家のある村に戻ったが、すでに精神疾患の症状がみられた。彼女の母親に頼まれて、同じ村の桑という女性住民が治療のため『小花梅』さんを江蘇省に連れていった。江蘇省に到着した後、『小花梅』さんは行方不明となった。当時、桑は警察に通報しておらず、家族に知らせなかった」と説明。

3回目の声明に対して、ネットユーザーは「桑は母親に頼まれたのに、行方不明になった後、なぜ家族に連絡しなかったのか」「江蘇省で行方不明になったのなら、これは典型的な人身売買ではないか」などと不信感をあらわにした。

ネットユーザーらは女性が1998年に行方不明になった当時13歳の少女だと疑っており、DNA鑑定を行うよう当局に求めている。

4回目、「人身売買があった」

10日、徐州市は4回目の声明を発表した。雲南省在住の同母異父の妹と亡くなった母親の生前の持ち物からDNAを採取し、鑑定した結果、親族であることを発表した。桑(48)とその夫(67)を人身売買の容疑で、女性の夫を不法監禁の容疑でそれぞれ逮捕したという。

世論は、二転三転する地元当局の説明は「ますます怪しい」と納得しない様子。なかに、地元当局の幹部にも責任を追及すべきだとの声がある。

7日夜、「8人の子どもの母」に同情するネットユーザーら数十人が自家用車を運転し徐州市豊県に向かったが、地元警察に阻止された。当局は、市民が同問題に関心を寄せていることに神経を尖らせている。

いっぽう、ネットユーザーらは、この女性のケースは氷山の一角だとの見方をし、人身売買の被害者となった女性はほかにも多くいると指摘した。

中国人ジャーナリストの鄧飛氏はこのほどSNS微博(ウェイボー)に動画を投稿し、女性の監禁先の近くで同じ境遇の女性がもう1人いるとした。動画によると、女性は20年以上にわたり自宅の地面に横たわったままだという。鄧氏は「(彼女は)もう正気を失い、歩けなくなった。毎日このように縛られている」と悲しんだ。

(翻訳編集・張哲)