米議員、ウクライナの飛行禁止区域に反対「第三次世界大戦に」

2022/03/08
更新: 2022/03/08

ウクライナが飛行禁止区域の設定を求めていることについて、米議員らは「第三次世界大戦」に繋がる恐れがあるとして要請に応じるべきでないとの見解を示した。

ロシアの軍事侵攻を受けるウクライナのゼレンスキー大統領は、北大西洋条約機構(NATO)や西側諸国に対して、同国上空に飛行禁止区域を設定するよう繰り返し求めている。

飛行禁止区域とは、自国の上空で敵国機の空爆を防ぐため、航空機の進入を禁じる区域を指す。違反する航空機は撃退対象となる。

この問題についてマルコ・ルビオ上院議員は「(飛行禁止区域の設定は)空中でロシアの航空機を撃墜し、交戦する意志があることを意味する。言い換えれば、ロシアの航空機を破壊する意思がなければ、飛行機を上空に飛ばすことはできない。つまり飛行禁止区域の設定は第三次世界大戦を意味する」と述べた。

クリス・マーフィー上院議員とジョニ・アーンスト上院議員は、ウクライナの大統領の立場としてゼレンスキー氏が飛行禁止区域の設定を求めることは理解できるとしつつ、米国はロシアとの直接的な軍事的対立をもたらすような行動をとるべきではないと明言した。米国は防衛装備品の提供を通じてウクライナに支援すべきとの見解を示した。

ロイター/イプソスの世論調査では、米国が他のNATO加盟国とともにウクライナに飛行禁止区域を設定する必要があると答えたのは全体の74%に上った。ロシアからの石油購入の取りやめについては80%が賛成した。

バイデン政権は、ウクライナ領空での飛行禁止区域設定をしないと表明している。英国も「欧州での全面戦争を引き起こす」として、飛行禁止区域の設定には反対の立場を示した。

NATOのストルテンベルグ事務総長は、欧州での全面的な戦争を阻止するためにもウクライナ上空に飛行禁止区域を設ける計画はないと表明した。

米国をはじめ国際関係担当。
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