ウクライナへの空輸作戦は対中抑止になる=米空軍指揮官

2022/04/04
更新: 2022/04/05
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米空軍の航空機動軍団は輸送機や空中給油機などの運用を行う輸送部隊であり、ウクライナへの武器輸送に携わっている。マイク・ミニハン指揮官(将軍)は、ウクライナ向けの輸送任務は重要であると指摘しつつ、中国共産党への抑止でもあると述べた。

米防衛産業誌「ブレイキング・ディフェンス」の独占インタビューに応じたミニハン氏は、航空機動軍団が現在東欧で行なっている活動はロシアによる事態のエスカレートを防ぐためだと述べた。記事は1日に発表された。

「現在起きていることも重要だ。もし欧州で失敗すれば、子供と孫の代にまで影響が及ぶだろう」。

航空機動軍団はロシアによるウクライナ侵攻後、数千人規模の増援部隊と武器の輸送を行った。また、昨年のアフガン撤退の際には12万4000人の民間人を輸送した。

米空軍は多くの兵員と航空機を動員しているが、ミニハン氏は中国から目を離さないようにしている。世界地図上でロシアを指差し、「この問題をうまく対処することは」と述べた。次に中国を指差して「彼らを抑止していることになる」と述べた。

ミニハン氏は2021年10月、航空機動軍団の指揮官として任命されるまで、アジア太平洋地域で8年間勤務していた。そして2019年から2021年までは米インド太平洋軍の副司令官を務めた。

周辺諸国への軍事的圧力を強める中国共産党に対し、米国は警戒感を示している。米中間で本格的な戦争が勃発すれば、米空軍は空中給油機や輸送機をどのように米国西海岸からインド太平洋地域に機動させるのかという問題に直面するだろうとミニハン氏は考える。中国に近づくにつれ、通信環境やサイバー環境が悪化するのだ。

輸送機などは機体のサイズが大きく、速度が遅い上に、戦闘機や爆撃機と比べて防御システムに欠けている問題もある。しかし中国に近づけば近づくほど戦闘機や地対空ミサイルの脅威が増すことから、それらのターゲットになるリスクも高まる。

「そのような作戦は長い間行われなかった。前回は私たちの祖父母の時代だ」とミニハン氏。「もし中国が台湾で強固な足掛かりを持てば、危機的な状況になるだろう」。

ミニハン氏は中国は打ち勝てない敵ではないと考え、重点的に取り組む領域を定めた。指揮と統帥の面では、部隊間の意思疎通の確保と通信状況が保証できない場合の任務遂行が課題として上がった。ナビゲーションでは、中国によるGPSの妨害などに備える必要性が挙げられた。そのほか、重要な空港が使用不能となった場合を想定した対応策の検討や、激戦地域での輸送スピードの維持などが課題になるという。

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