次の標的はパプアニューギニアか 中国との安保協定に懸念=モリソン豪首相

2022/04/20
更新: 2022/04/20

モリソン豪首相は20日、中国・ソロモン諸島間で安保協定が締結されたことを受けて、隣国パプアニューギニアも同様の協定を結ぶよう中国政府から圧力を受けていると明らかにした。

モリソン氏は記者団に対してオーストラリアは近隣諸国に「それぞれ建設的に対応していく」と寄り添う姿勢を示した。その上で「パプアニューギニアには、ソロモン諸島と同じような圧力が(中国から)かかっている」と指摘した。

2019年に独立を問う住民投票が行われたパプアニューギニアのブーゲンビル自治区にも中国は関心を示し、「一帯一路」構想に基づくインフラ投資で10億米ドルを提供すると報じられた。

防衛専門家は、パプアニューギニアと中国の合意が成立すればオーストラリア北部の都市ケアンズから1700キロ以内に中国が海軍基地を構築するなど活動を広げる可能性があると警告している。

いっぽう、最大野党の労働党からはモリソン氏の対応に非難の声が挙がる。ペニー・ウォン外務報道官は同日、政府の対応の遅さを指摘し「豪州が直面している戦略的状況は、第二次世界大戦後のどの時期よりも危険だ」とオーストラリア放送協会(ABC)で懸念を表明した。

今回の安保協定締結について「透明性の欠如」を指摘していたバイデン政権は今週、米国家安全保障会議(NSC)のキャンベル・インド太平洋調整官らをソロモン諸島に派遣すると発表した。中国を念頭に同地域との関係強化を図り、自由で開かれたインド太平洋の推進を目指すとしている。

米国をはじめ国際関係担当。
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