天安門事件33年、いまだ続く隠ぺいと封鎖 評論家「中共は恐怖を感じている」

2022/06/05
更新: 2022/06/05
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今年の6月4日で、中国共産党が民主化運動を武力で鎮圧した天安門事件から33年が過ぎた。情報封鎖は中国本土から香港へと広がり、人権弾圧は悪化の一途をたどる。「中共に自浄作用はない」「中共に幻想を抱いてはいけない」。都内で行われた抗議集会では、中国共産党の解体を望む声が聞かれた。

集会にはニューヨーク在住の中国政治評論家・陳破空氏が参加した。中国国内の民主化運動に参加し投獄された経験を持つ陳氏は、天安門事件は「昨日のことのように感じる。思い返せば涙が流れ落ちる」と語った。

1989年6月4日。民主化を望む大学生と北京市民に対し、中国軍は発砲した。天安門広場に集まる一般人は銃撃され、戦車のキャタピラーにひき殺された。英外交機密文書によれば武力弾圧による犠牲者は少なくとも1万人とされるが、中国共産党の情報封鎖により正確な数はいまだに明らかになっていない。

陳氏は、圧政に抵抗する人々の精神はいまの香港人に受け継がれているとし、「敬意を表したい」と述べた。そして中国共産党に対し幻想を抱いてはいけないと強調した。

民主中国戦線の王戴氏は取材に対し「今思い返せば、六四天安門事件のときに中国共産党の打倒を掲げなかったことが悔やまれる。当時は共産党について十分に認識できなかった。共産党に自浄作用があると思っていた。しかし、自浄できないことは事実によって証明された。そればかりか独裁傾向が増していく一方だ」と述べた。

中共の軌道修正、あてにできない

先進国では長らく「パンダハガー」と呼ばれる親中派が宥和政策を取ってきたが、改革開放から40年あまり経った今日では一党独裁体制が強化されるばかりだ。日米の政治家は中国共産党の本質を見定め、人権弾圧の被害者に寄り添う姿勢を示した。

米議会両院の議員と政府高官からなる「中国問題に関する連邦議会・行政府委員会(CECC)」は声明を発表し、天安門事件の犠牲者やその家族にはいまだ正義がもたらされていないと述べた。そして今日では「人権弁護士やウイグル人、チベット人、キリスト教徒、法輪功学習者」も弾圧の対象になっていると指摘した。

ペロシ米下院議長は長年、中国の民主活動を支持してきた。天安門事件発生から2年後の1991年には北京を訪れ、他の議員らと「中国の民主化のために犠牲となった人々に捧げる」と書かれた横断幕を広げた。

ペロシ氏は3日に発表した声明で、中国共産党によるチベットや香港、信仰者に対する人権侵害を列挙し「私たちは北京当局の軌道修正をあてにすることはできない」と言明した。そして両院両党が今後も共産主義政権の圧迫を受けている人々を支持していくと述べた。

長年、天安門事件の追悼集会が開催されていた香港は、国家安全法の施行と当局の弾圧により自由が大幅に制限されている。ビクトリア公園の追悼のロウソクは3年前に消え、黒服の警官隊に置き換えられた。

日本の長島昭久衆議院議員(自民)は「未だに真相は北京の指導者により闇に葬られたままだ。そして、今、香港で自由と民主が失われ、完全に中国化してしまった」とツイート。日本は台湾と連携を深め、アジア太平洋における自由と民主の防波堤となる決意を表明した。

中国共産党のメンタリティーについて、陳氏は「中国共産党は中国人に天安門事件を忘れさせたいが、中国共産党自身は忘れていない。中国共産党は中国人以上に恐怖を感じている」と指摘。中国共産党は中国人と世界各国国民にとって最大の脅威であると語った。

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