キャンディに似せた中国製フェンタニル…米麻薬取締局「若者と子供がターゲット」

2022/10/09
更新: 2022/10/07

米国では薬物中毒の副作用がある鎮痛剤フェンタニルが安価で流通し、社会問題となっている。最近ではキャンディと見間違うようなカラフルな形状のものが出回っており、米麻薬取締局(DEA)は「若者や子供がターゲット」だと警告している。米国防総省の元高官は、フェンタニルの密輸と製造に関わる中国に「責任を負わせるべきだ」と指摘した。

元米国防総省のサイバーセキュリティ政策・戦略・国際問題担当ディレクターであったジョン・ミルズ氏は、フェンタニルは米国人を陥らせるために中国共産党が使う道具だと述べた。大紀元姉妹メディア・新唐人テレビ(NTDTV)の番組「チャイナ・イン・フォーカス」のなかで語った。

ミルズ氏は、中国製フェンタニルは路上で買えるほど手軽に入手でき、過剰摂取や薬物中毒で多くの人が死亡しているとした。「米国にとって恐ろしく重大で致命的なリスクであり、脅威だ」とし、バイデン政権の対応不足を指摘した。

8月30日、麻薬取締局は「子供や若者をターゲットにした、カラフルなフェンタニル」について警告を発した。

中国が危険な薬物前駆体の主要供給元=調査

麻薬取締局によると、フェンタニルはヘロインよりも50倍強力で、モルヒネよりも100倍強力な合成オピオイド。わずか2ミリグラムで人にとって致命的な量になると強く警告している。最近は色がカラフルで、小さなブロックやチョーク状、粉末状だったりするという。

米疾病対策センター(CDC)によれば、薬物過剰摂取による死者は2021年4月までの1年間に10万人を超え、前年比28.5%増となり過去最多を更新した。

ロイター通信が伝える公衆衛生当局者の話によると、薬物供給者が効果を高めるためにフェンタニルを覚醒剤のコカインやメタンフェタミンと混ぜており、危険性が増している。

大紀元はホワイトハウスにコメントを求めたが、記事発表までに返答は得られていない。

以前の米国麻薬取締局の発表によれば、米国に流通するフェンタニルの多くは、メキシコの麻薬カルテルが中国から入手した前駆体を使って作ったものだという。

いっぽうミルズ氏は異なる物流ルートもあると、受賞歴のあるカナダ人調査ジャーナリストであるサム・クーパー氏の報告を引用した。それによれば中国共産党の腐敗した政治家が、違法な麻薬取引で得た汚い金を洗浄するために、バンクーバーにあるギャングやカジノを利用しているという。

押収されたカラフルな色の麻薬性鎮痛剤フェンタニル(米麻薬取締局)

まもなくハロウィーン「お菓子に注意を」

秋に子供たちのイベントとなるハロウィンをまもなく迎えるが、ミルズ氏は保護者たちに対して不審な「お菓子」に注意するよう警告を発した。

「親はいかなる形のお菓子も受け取らないでほしい。お菓子は信頼できる店、つまり基本的に有名店からしか買ってはいけない」とミルズ氏は語った。

実際、コネチカット州で押収された数千錠のフェンタニルは、子供の好むお菓子の包装に入れられて密輸が試された。

フェンタニル類薬品やその原材料の多くは中国から輸出されている。ミルズ氏はバイデン政権に対して、積極的な貿易措置を講じることで中国の責任を追及するよう求めた。

中国産フェンタニルが米国に大量流入 地方に「麻薬生産村」も…

もう一つの効果的なアプローチは、政権への資金流入を断つことである。

最近、米国の会計監査当局が、ニューヨークで上場している中国企業の会計事務所が作成する業務文書の公正性と全面的アクセスについて警告を発したが、ミルズ氏は、「中国政府はこの検査強化の努力を避けるために、香港を実質的に主要な国際株式市場として設定しようとしている」と語った。

「中国への資金流入を断ち切るために、最大限の圧力キャンペーンを行う必要がある」と述べた。

(翻訳編集・大室誠、佐渡道世)

Hannah Ng
ニューヨークを拠点とするリポーター。NTDの番組「チャイナ・イン・フォーカス」の司会を務める。
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