ワクチン接種者は死亡率が低いのか? 京大名誉教授が厚労省を提訴

2023/02/07
更新: 2023/02/07

ワクチン接種者の重症化数、死亡者数は未接種者に比べて本当に少ないのか?

京都大学名誉教授の福島雅典氏が代表理事を務めるLHS研究所は、2日、東京で記者会見を開き、コロナ関連の情報公開に対して不開示とした厚生労働省の決定を不当とし、行政文書の開示請求を行った。

 

重症化数、死亡者数データが出ていない

昨年8月、LHS研究所は、2022年7月21日付けの新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード(顧問委員会)の情報に同感染症の重症化数、死亡者数が記載されていなかったことについて厚労省に情報開示を求めていた。

その情報では、年齢層によってはワクチン接種10万人当たりの新規感染者数が増えていたが、重症化数、死亡者数は不明だった。

しかし2021年9月1日のアドバイザリーボードのデータでは、ワクチン未接種者に比べ、ワクチン一回及び二回接種者では65歳以上での致死率は低かったもの、65歳未満の致死率は高く、全体の数字としてはワクチン接種者の致死率が高いという事象がでていた。

福島氏は「(ワクチンを)全年齢に打つという根拠はすでに2021年の 9月のアドバイザリーボードで無くなってるはず。にもかかわらず接種を進めてきた」と語る。

 

なぜ?情報を開示しない厚労省

同研究所は2022年8月に情報開示請求を行ったものの、返事は10月1日に開示決定等の期間期限を延長するというものだった。そして厚労省から11月に送られてきたのは「不開示」決定通知書で、理由は「事務処理上、作成または取得した事実がない」というものだった。

同研究所は、「厚労省が、ワクチン未接種者と接種者それぞれの新規感染者数、重症化率および同致死率を把握していることは明白で、その不開示決定は不当だ」としている。

厚労省のデータの不開示について、福島氏は「今のワクチン戦略で本当にいいのか全部問い直されている。そういうサイエンス(科学)の根幹に関わることについて貴重なデータを開示しないとサイエンスどころではない」と訴えた。

 

ファイザー社とモデルナ社に関する情報も開示要求

またLHS研究所は、厚生労働大臣に対して、ファイザー社とモデルナ社が、ワクチン副反応の評価をしているPMDA(独立行政法人 医薬品医療機器総合機構)や厚労省に提出した、有効性、安全性に係る全データの開示と、国とファイザー社、モデルナ社が結んだ契約書の全面開示を求めた。

ファイザー社のワクチンデータに関しては、米国をはじめ、世界各国で情報開示されている。

特に米国で昨年3月開示された38ページに及ぶ報告書「承認後の副反応報告の累積分析」には腎臓障害、急性弛緩性脊髄炎、脳幹塞栓症、心停止、出血性脳炎などファイザー社製ワクチンの副反応が1291種類報告されている。
 

米FDA、ファイザー社製ワクチンのデータを初公開 副反応が1200種以上

福島氏は「国民の安全、それから健康、そして経済活動について決定的に影響を持つ重大な国民の利益に関する情報について開示しないのは著しく不当であり、許せない」と述べている。

大道修
社会からライフ記事まで幅広く扱っています。