「人口流入、航空便、資金流入がゼロ」でピンチ! 中国経済が世界で孤立?

2024/03/05
更新: 2024/03/06

中国共産党(中共)が中国経済の悪化についての発言を全面的に禁じる中、中国の経済学者・格隆氏は、中国経済における「3つのゼロ」、すなわち「人口流入ゼロ」「航空便ゼロ」「資金流入ゼロ」現象がみられると指摘した。

格氏は、中共が打ち出した国内外の「双循環」戦略への道は厳しく、中国経済は「孤立した経済へと追い込まれ、内部循環に頼らざるを得なくなる」と考えている。

格氏がこのように述べている動画は中国のSNS「微博(ウェイボー)」で拡散。既に検閲されており、格隆氏のアカウント(フォロワー数37.7万)のコンテンツは全て削除された。微博側は、その理由について「関連規則に違反したため、当該ユーザーは現在投稿禁止処分としている」と説明した。

格隆氏は中国の著名な経済学者で、グローバルな投資研究プラットフォーム「格隆汇」の創設者である。彼は中南財経政法大学を卒業し、金融学の博士号を持ち、第15回「新財富最優秀アナリスト15周年業界モデル賞」を受賞し、25年以上にわたる中国国内外の投資分野で豊富な経験を持っている。

「人口流入ゼロ」

昨年末にかけて、中国のSNSで格氏が中国経済において「人口流入ゼロ」「航空便ゼロ」「資金流入ゼロ」がみられると語った動画が拡散された。上記の3つのゼロにより、中国経済は実際に「孤立した経済」となり、内部循環に頼らざるを得なくなるとの見方を示した。

格氏が最初に指摘したのは「人口流入ゼロ」である。パンデミック前の2019年第1四半期に中国を訪れた外国人の数は370万人であったものの、2023年第1四半期には5.2万人と、2019年同期と比較して98.6%激減している。

さらに深刻なのは、5.2万人の入国者のうち、56%が香港から、22%がマカオからで、4万人以上が香港・マカオ地域から来た人々で、他の国々から来た外国人はわずか1万人に過ぎない。

格氏は、外国人が中国に来ないことは、観光産業の崩壊につながるだけではなく、中国が再び70年代の外国から孤立する状態に戻る可能性があるとした。

そのうえで、中国当局が人口流入に制限をかけていた70年代とは異なり、現在は外国人が中国への往来を拒んでいると述べた。相次ぐ外資撤退よりも懸念すべき点は「外国人がそもそも来なくなり、彼らがメキシコやベトナム、インド、インドネシアに行ってしまった」ことであると指摘した。

「上海には最も多くの常駐する外国人就業者がいたが、2019年末に中国で発生した新型コロナウイルス以降、『ゼロコロナ』政策が実施された結果、多くの外国人が上海を離れた」

陳穎(仮名)さんは2月21日、大紀元に対して、上海のライドシェアドライバーである彼女の友人が2018年には毎日外国人を乗せていたが、今は週に2回しか外国人を乗せることがなく、以前に比べて大幅に減少していると話した。

「外国人が去り、私たちと一緒にいなくなった。私たち自身の国内でさえ投資しなくなり、外国人はなおさら投資しない。現象を通じて本質を見ることが、私たちにとって深く考える価値がある」と語った。

上海市民の王睿(仮名)さんは、2022年3月から3か月間の都市封鎖が始まり、頻繁なPCR検査、外出禁止、ワクチン接種の強制、健康コードの厳格な管理が人々に恐怖を与え、市民に大きなトラウマを与えただけでなく、「多くの外国人も怖がって逃げてしまい、海外の人ももはや来なくなった」と大紀元に語った。

「航空便ゼロ」

パンデミック前、米中間の航空便は月間3800便以上、平均して1日に100便以上だったが、現在は直行便が1日に4〜6便にまで減少した。

過去70年以上にわたり、中国の対外貿易の貿易黒字の70%が米国からのものであった。パンデミックが終息した現在でも、米中間の直行便が1日にわずか4〜6便しかないことは何を意味しているのだろうか。

2月22日、米サウスカロライナ大学エイケンビジネススクールの謝田教授は大紀元のインタビューで、人口流入や航空便、資金流入がゼロに近似する現象は、中国経済と米欧との離反、産業チェーンの移転、西側資本の中国撤退と関連していると分析した。

謝田氏は、中共が国家安全を理由に、中国本土と香港において恣意的に拘束することや、中国市場の評価や調査を行う外国のコンサルティングや調査機関の撤退を強いることにより、外資が中国社会や経済の実態把握が困難となり、投資をためらうようになったとの認識を示した。

「2017年から続く米国による対中国の関税戦争、2020年以降の技術封鎖により、かつて世界の工場だった中国は事実上閉鎖された」と指摘。

そのうえ、「中共の逆行する政策は、香港や新疆での弾圧手段としても用いられ、外国人観光客もこれを目の当たりにし、商人は訪れなくなり、観光客も足を踏み入れることを恐れるようになった」と述べた。

謝田氏はまた、ビジネスマンや観光客、留学生、学術交流の参加者が米中間の往来者であると指摘。現在、米中間の学術交流が減少していること、中国人の海外留学や旅行、外貨の使用が制限されていることから、中国からの海外への訪問者も減少し、結果として航空便が減少していると述べた。

「資金流入ゼロ」

2022年第1四半期には外国から中国への直接投資額が1012億ドルであったが、2023年第2四半期にはわずか49億ドルにまで減少。1998年のアジア金融危機以来の最低値を記録した。

また、2023年には外貨建てファンドの募集が8件にとどまり、2022年の同期間には114件、2021年には792件であった。2023年上半期に中国に焦点を当てたプライベートエクイティファンドはわずか14億ドルとなり、2021年上半期の約500億ドルと比較しても「実質的にゼロ」に近い状態である。

格氏は、人口流入、物流、資金流入が経済発展の三大要素であると指摘し、上述した外部循環のいくつかの重要指標が縮小していることを指摘した。

ゼロに近づく原因がパンデミックによるものであれば、修正する見込みがあるが、貿易戦争や政治的な摩擦が原因であれば、中国経済は長期的に低迷する見通しだ。

また、過去数十年で中国がグローバリゼーションの流れにおいて最大の受益者であったと強調し、中国の生産能力の60%以上が外部市場向けであったと指摘した。中国が「内外の隔離」の道を歩む場合、中国経済が再び「孤立経済」になる。抜本的な改革を行えなければ、「大きな損失を被り、取り返しのつかない損失を被ることになる」と述べた。

謝田氏は、「中共の外国企業への敵意、加えて西側からの包囲、技術封鎖など、政治、経済、軍事、文化、教育などの全面的な対立が、中国が国際社会で孤立した『孤島』となる状況を引き起こしている」と述べた。

中国経済の衰退は、中国当局が発表する公式データのマイナス1%、3%ではなく、マイナス5%、6%に達する可能性も十分にあるとの考えを示した。「中国経済は全体として、WTO(世界貿易機関)に加盟した2001年以前の状態に後退しており、経済の低迷は少なくとも2025年まで続くと考えられる」。

「中共が昨年の経済成長率を5.2%と吹聴しているが、誰も信じていない。中国の一般市民でさえ信じていない」と指摘。

そのうえ、「中国経済において輸出、投資、消費という3つの推進力がすべて停止し、中国の人口さえ減少しており、労働力も減少している。どうやって経済が成長することができるのか」とした。

陶莎採
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