築26年の集合住宅ビルに深い亀裂 「施工業者がわからない」=中国 黒竜江省

2024/04/30
更新: 2024/04/30

今月27日、中国黒竜江省ハルビン市にある集合住宅ビルに長くて深い亀裂ができていることを示す動画が中国SNSで拡散され、物議を醸している。

27日午後に突然現れた深い亀裂によって、ビルの半分は明らかに傾いてしまった。ビル全体がいつ倒れてもおかしくない「最高に危険」な緊急事態であることは誰の目にも明らかだった。

現地住民によると、ひびは最初10センチ程度だったが、その後、瞬時に広がり、ついには1メートルほどの亀裂になった。問題のビルからは「ガスのにおいがプンプン漂ってくる」という。

「集合住宅亀裂事件」が広く注目されると、デベロッパー側は「開発を担当した大株主が死亡しているため、このビルの施工業者が誰なのかわからない」と説明。

中国メディアによると、問題の建物(1998年竣工)の住民は全員退去しており、現在は空き家状態だ。建物は2年前から「危険建物」として認定されていたという。

ビルが「裂けた」翌日、関連トピックスは中国のSNSでトレンド入りした。

SNS上では、「危険な建物と認識されて久しいのに、なぜ補強や取り壊しの措置を取らなかったのか」「近隣の他の建物や住民の安全を脅かす、こんな時限爆弾のような危険な建物をなぜ長く放置したのか」といった非難が殺到した。

世論のプレッシャーが功を奏したのか、当局は翌日(28日)ようやくビルの取り壊しに取り掛かり始めた。

その一方で現場には、「住宅ローンがまだ残っているのに家がなくなった。自宅内には家電製品や家具などが残っており、まだ運び出せていないのに」と嘆く住民の姿も見られた。

李凌
エポックタイムズ記者。主に中国関連報道を担当。大学では経済学を専攻。カウンセラー育成学校で心理カウンセリングも学んだ。中国の真実の姿を伝えます!
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