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アメリカの関税収入が過去最高 4月は163億ドル

2025/05/13
更新: 2025/05/23

5月12日、米財務省は4月の関税収入が前月比76億ドル増の163億ドル(約2兆4114億円)となり、単月として過去最高を記録したと発表した。

2024年10月に始まった2025会計年度の累計関税収入は、これまでに633億ドルに達し、前年同期比で154億ドル増加した。4月の関税収入は、前年同月の73億ドルから90億ドル増の163億ドルとなり、130%の大幅増となった。ブルームバーグの集計によれば、これは過去10年以上で最も高い月間関税収入である。

財務省の関係者は、こうした関税収入の急増は、トランプ米大統領が導入した新たな関税の影響を反映中と説明した。

アメリカは依然として巨額の財政赤字を抱えているが、4月は所得税申告の締め切り時期と重なるため、例年、黒字になりやすい。今回も関税収入の増加が、黒字額の押し上げに寄与し、4月の財政黒字は2584億ドルで、前年同月比で23%増加した。また、2025会計年度(10月1日開始)の最初の7か月間における累計財政赤字は1兆490億ドルで、前年同期より1940億ドル(23%)増加した。財務省によると、4月末時点の歳入は3兆1100億ドル、歳出は4兆1590億ドルで、それぞれ過去最高を記録した。ただし、赤字額そのものは過去最高ではなかった。

年間ベースで見ると、4月の歳入は前年同月比で10%増加、支出は4%減少した。年初からの累計では、歳入が5%増、歳出が9%増となった。

トランプ氏は3月4日、メキシコおよびカナダからの輸入品に対して25%の関税を導入し、エネルギー製品とカリ肥料については例外とされ、10%の関税が適用された。トランプ大統領は、この措置について、両国がフェンタニルや不法移民の流入を許していることへの対抗措置であると述べた。

また、アメリカは米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)に基づく無税貿易の適用を一部停止し、USMCAの規定を満たさない輸入品に対して新たな関税を導入した。

さらに、3月12日には、すべての輸入鉄鋼およびアルミ製品に25%の関税を導入し、4月3日には輸入自動車に、5月3日には自動車部品にも、それぞれ25%の関税を導入した。ただし、アメリカ国内で製造された車両については、低い税率が適用される。

4月2日、トランプ氏は、ほぼすべての国からの輸入品に一律10%の基本関税を導入する方針を発表した。また、数十か国に対しては、「対等関税(報復関税)」として、国ごとに異なる税率を設定して、4月9日には対等関税を90日間停止し、各国との貿易協議に入る方針を示した。同日、対中関税は145%に引き上げられた。

しかし5月12日、アメリカ政府は、中国共産党(中共)政府との協議の一環として、新たな対中関税を一時的に145%から30%に引き下げることで合意。中共側も報復関税を125%から10%に引き下げることで応じた。こうした関税の一時的な引き下げ措置は、90日間継続され、両国は引き続き協議を行う見通しである。

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