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米CDC 健康な子供と妊婦へのコロナワクチン接種推奨を停止

2025/05/28
更新: 2025/05/28

米保健当局は5月27日、新型コロナワクチンの接種推奨を一部見直す方針を発表した。

Xに投稿した動画で、保健福祉長官のロバート・F・ケネディ・ジュニア氏は「本日より、健康な子供および妊婦に対するコロナワクチンが米疾病対策センター(CDC)の推奨予防接種スケジュールから除外されたことを非常に喜ばしく思う」と述べた。

CDCの公式サイトに掲載されている2024年版の予防接種スケジュールには、依然としてコロナワクチンが記載されている。ただし、今回の発表は、健康な小児および妊婦を対象とした推奨範囲を縮小する措置である。

現在使用されているコロナワクチンの最新版は、2024年に米食品医薬品局(FDA)によって臨床データなしで承認された。CDCはこれまで、過去に接種歴がある人に対しても、妊婦や子供に現行ワクチンの追加接種を推奨していた。

これについてケネディ氏は、「小児への繰り返し接種を裏付ける臨床データが存在しないにもかかわらず、こうした勧告がなされてきた」と指摘した。

動画には、国立衛生研究所(NIH)のバタチャリヤ所長も登場し、「本日をもって終止符が打たれる。これは常識にかなっており、科学的にも妥当だ」と述べた。

マカリーFDA長官は、「現在、健康な子供に接種が必要だとする証拠はなく、多くの国が小児への接種を推奨していない」と述べた。

CDC、FDA、NIHはいずれも保健福祉省(HHS)の管轄下にある。今回の決定にCDCが関与したかどうかは明らかになっていない。

CDCへの取材に対してはHHSが応答し、「トランプ政権の常識重視の方針の一環として、コロナワクチンをCDCの推奨接種スケジュールから削除する」との声明を出した。

また、「HHSおよびCDCは今後も、科学的根拠に基づき、特に子供たちを含む国民全体の健康と福祉を守る取り組みを継続する」と述べた。

CDCのデータによれば、2024年秋以降にコロナワクチンを接種したのは、小児で13%、妊婦で14%にとどまっている。

今回の方針転換は、CDCの諮問機関である予防接種実施諮問委員会の一部メンバーが、4月の会合で接種推奨の見直しを支持したことが発端とされる。同委員会は6月の次回会合で、正式な採決を行う予定である。

今回の発表には賛否が分かれている。

テキサス州で診療を行い、「アメリカンズ・フォー・ヘルス・フリーダム」を設立したメアリー・タリー・ボーデン医師は、X上で、「素晴らしいニュースだ」と称賛した。

一方、バイデン政権でコロナ対策に関与していたブラウン大学公衆衛生大学院のアシーシュ・ジャー院長は、「妊婦がコロナに感染すると、母体と胎児に深刻な合併症のリスクが高まる。ワクチンはそのリスクを軽減する」としている。「これは米国産科婦人科学会(ACOG)が現在も主張している内容であり、かつてはCDCも同様の立場を取っていた。なぜ女性に選択の自由を委ねないのか。なぜその選択肢を奪うのか」と投稿した。

推奨スケジュールから外れても接種は可能だが、保険適用外となる可能性がある。ジャー院長は、メディケイドでも同様に対象外となるだろうと指摘している。

マカリー氏とFDAワクチン担当トップのヴィナイ・プラサード氏は最近、FDAの新たなコロナワクチン方針を発表した。それによると、65歳以上および肥満などのリスク要因を持つ者には、「免疫ブリッジングデータ」のみで、改良型ワクチンの承認が可能になるという。それ以外の一般層に向けたワクチンについては、ワクチンがコロナの症状を予防したことを示す臨床試験データの提出が義務づけられる。

免疫ブリッジングとは、新しいワクチンやワクチンの改良版の有効性を、臨床試験での感染予防効果を直接確認することなく、すでに承認されたワクチンと比較することで評価する手法

FDAは5月22日、ファイザー、モデルナ、ノババックスの3社に対し、今後のコロナワクチンは、現在アメリカで主流となっているJN.1系統の亜種「LP.8.1」に対応させるよう指示した。ただし、現行のワクチン(ファイザーとモデルナはKP.2、ノババックスはJN.1)を継続使用することも認められるとしている。

メリーランド州に拠点を置く大紀元のシニアリポーター。主に米国と世界のニュースを担当。