5月31日は中国四大伝統祝日の一つ「端午節(たんごせつ) 」だ。この節分では無病息災を願い、粽を食べるのが習慣だが、今年は異常事態のようだ。
粽(ちまき)を片手に人々が行き交うはずのこの時期、しかし、商店主たちは異口同音にこう嘆いている──「今年ほど冷え込んだ端午はない」。
商業施設でも、かつて人で賑わった粽コーナーには閑散とした空気が流れ、販売員が客を待つだけの異様な光景が広がっている。
なぜ売れないのか? その背景には、深刻な消費の冷え込みがある。ネット上では「粽は自分で作る」「ご飯を食べるだけで精一杯」といった庶民の切実な声が並び、端午節という年中行事すら「贅沢」と感じる時代の空気が浮き彫りになっている。
祝日さえ特需を生まない現実。粽が売れないのではなく、粽を買う余裕が人々から失われている──それが、今の中国経済の本当の姿である。
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