北海道後志地方の倶知安町巽地区で、違法な森林伐採が行われていたことが明らかになった。現場では少なくとも2023年から建設工事が進められており、当初は住宅やスキー場の建設計画があったとされる。北海道は2025年6月5日、森林法違反の疑いで工事の中止を事業者に勧告した。HTB北海道ニュースが報じた。
現場は羊蹄山の麓に位置し、緑豊かな森林が広がっていた。工事現場には鉄筋コンクリート造りの2階建て住宅が建設され、その隣にも新たな建物の骨組みが確認されている。近隣住民によると、工事関係者には日本語が通じない外国人が多く、中国系とみられる人物が札幌の会社に依頼して建設を進めていたという。
事業者は、北海道に対して「1ヘクタール未満(0.99ヘクタール)」の開発行為であると報告していた。しかし、道が現地調査を行った結果、実際の伐採面積はその約4倍、約3.9ヘクタールに及ぶことが判明した。これは森林法で許可が必要となる1ヘクタールを大きく超えており、無許可での大規模伐採が行われていたことになる。
この土地では過去に住宅やスキー場の建設計画が持ち上がっていたことも分かっている。現在建設が進められているのは住宅2棟とされるが、今後の開発計画については不透明な部分が多い。
道は、事業者に対し森林の機能を回復させるための「復旧工事計画書」の提出を求めている。また、今回の開発行為が都市計画法にも違反している可能性があるとして、さらに調査を進めている。
地元住民からは「羊蹄山は倶知安町の大事なシンボルであり、森林は水源や土砂災害防止の役割も果たしている。これ以上の開発は心配だ」との声も上がっている。
なお、今回の違法伐採に関わった事業者や土地所有者は、現時点で取材に応じていない。また、伐採を実際に行ったのは建物を建設する会社とは別の事業者であることも分かっているという。
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