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トランプ大統領 州兵は現地の安全が確保されるまでロスに駐留

2025/06/11
更新: 2025/06/11

6月10日、アメリカのトランプ大統領はロサンゼルス市内で続く大規模な抗議活動に対応し、「現地に危険がなくなるまで」国民警衛隊を駐留させる方針を明示した。ホワイトハウスでの記者会見において、連邦政府の対応や軍の派遣について言及し、「もし私が部隊を派遣しなければ、より多くの死傷や破壊が起きていただろう」と強調した。

ロサンゼルスでは先週金曜日以降、連邦政府および移民・関税執行局(ICE)による不法移民への取り締まりに反発する市民が抗議デモを展開している。9日夜にはデモが4日目に入り、市中心部では複数の店舗が略奪の被害を受けた。さらに、週末にはデモ参加者が警察や車両に対して石や物を投げ、複数の車両が炎上するなど、混乱が広がった。警察は胡椒弾(唐辛子など非致死性の弾)、閃光弾、催涙ガスを用いて対処した。

このような事態を受け、トランプ大統領と国防長官は700人の海兵隊員を現地に派遣するよう命じた。アメリカ政府関係者の話によれば、そのうち半数は月曜夜に現地へ到着し、残りも火曜日中に現地入りする見通しである。

トランプ大統領は「常識的な対応である。現地の危険が取り除かれ次第、部隊は撤収する」と述べ、「もし私が派遣しなければ、ロサンゼルスは焼け野原になっていただろう」と自身のSNS「Truth Social」でも警告を発した。さらに「州知事や市長の無能さが2万5千棟もの家屋の焼失を招いた」と述べ、地元行政を厳しく批判した。

抗議活動の背景には、「国王を拒否(Refuse King)」と名乗る団体が全米各地でデモを組織し、トランプ大統領を独裁者になぞらえて批判を強めている動きがある。

また、今週末にはワシントンD.C.で大規模な閲兵式が予定されている。記者から「式典への抗議活動をどう見るか」と問われた際、大統領は「今のところデモ計画は把握していないが、『我が国を憎む者』が行動を起こせば、極めて厳しい武力で対応する」と述べた。「デモを行う者には、非常に厳しい武力鎮圧を行う」とも語り、治安維持に対する断固たる姿勢を明示した。

さらに、「カリフォルニア州の情勢に対し『反乱法』を発動する可能性はあるか」との問いに対しては、「反乱が発生すれば、間違いなく発動する」と明言した。現時点では発動には至っていないものの、今後の情勢次第では連邦法によるさらなる強硬措置を取る構えである。

林燕