江蘇省蘇州市の住宅団地「上城時光」で、夕方の帰宅時には、南側の正門が住民の出勤中に突如撤去され、門も標識もすべて消えていた。無断で家の“顔”を奪われた住民たちは激怒し、抗議活動を開始した。
開発業者は「大門は建築線を越えた違法建築だった」と説明しているが、住民側は猛反発。「売り出し当初からパンフレットにも載せていたはず」「違法ならなぜ4年間も放置したのか」と矛盾を指摘する。実際、「あの門に惹かれて住宅を購入した」と語る住民も多い。
エポックタイムズの取材に応じた住民の李さんは「門がなくなって団地の格が下がり、資産価値にも響く。景観も防犯性も損なわれた」と訴えた。

騒動が起きたのは、開発業者が最後の区画を売り終えた直後で、住民たちは「販売時の状態に戻さなければ徹底的に抗議を続ける」という。
このような「後出し違法扱い」による景観設備の撤去は、他地域でも相次いでいた。2024年末には、上海でも開発業者が突然「違法建築だから」と団地の門を取り壊した。しかし、現地当局は住民に「違法建築ではない」と説明しており、業者の主張との食い違いが混乱を招いた。
買う前には景観を売り文句にし、売った後には「違法だから撤去」と責任を逃れる──こうした開発業者のご都合主義の論理がまかり通る限り、中国の不動産市場は、信用の回復からますます遠ざかった。

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