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米国がイラン核施設攻撃 国際原子力機関「深刻な損傷の可能性」

2025/06/24
更新: 2025/06/24

国連の核監督機関である国際原子力機関(IAEA)の事務局長、ラファエル・グロッシー氏は23日、アメリカによる爆撃がイランのフォルドゥ地下ウラン濃縮施設に「非常に深刻な」損傷を与えた可能性があると述べた。ただし、現時点では具体的な被害状況は不明である。

イランの現地時間23日未明、アメリカ軍はフォルドゥ核施設に対して、保有する中で最大級の巨大バンカーバスター爆弾(MOP)を投下し、イランの核兵器開発能力を破壊しようとした。

グロッシー氏はIAEA理事会の緊急会合で、「現在、IAEAを含む誰もがフォルドゥ地下核施設の被害状況を完全に評価できていない」と語った。

6月13日にイスラエルがイランの核施設への軍事攻撃を開始して以来、IAEAはイランの核施設を査察できていない状況が続いている。

グロッシー氏はまた、「(米国が)使用した爆薬の規模や、遠心分離機が振動に非常に弱い特性を考えると、極めて深刻な損傷が予想される」と述べた。

フォルドゥ地下ウラン濃縮施設の損傷状況は確認できてないだけでなく、イランの濃縮ウランの在庫、特に純度60%に達する400キロ以上の高濃縮ウランの扱いも大きな懸念となっている。

IAEAの基準によれば、これらのウランはさらに濃縮すれば、最大9発分の核兵器を製造できる量である。イランは平和利用を主張しているが、国際社会は民間利用には不要な高濃度ウランであることから、イランの説明に疑問を持っている。

イスラエル軍は23日、アメリカ軍によるフォルドゥ濃縮施設への空爆の後、再びこの施設への通路を封鎖するために攻撃を行ったと発表した。

イランの準公式通信社タスニムは、国家安全保障委員会の報道官エブラヒム・レザイ氏の発言として、IAEAとの協力を全面的に停止する法案大綱を承認したと伝えた。

レザイ氏によれば、この法案が成立すれば、核施設の安全が確保できない限り、監視カメラの設置や査察の受け入れ、IAEAへの報告提出などの活動をすべて停止するという。法案は今後、議会の本会議で最終承認される予定である。

張婷