安倍晋三元首相暗殺事件から8日で3年になる。6月13日奈良地裁は、山上徹也被告(44)の初公判を10月28日午後2時に開くと発表した。審理は裁判員裁判で行われる予定だ。しかし事件から3年近くが経過した現在も、報道内容やその背景について議論が続いている。
安倍晋三元首相は2022年7月8日午前11時31分頃、奈良市の近鉄大和西大寺駅北口付近で、参院選の応援演説中に背後から銃撃され、搬送先の奈良県立医科大学附属病院で午後5時3分に死亡を確認した。67歳だった。
容疑者は奈良市在住の山上徹也(当時41歳)とされ、殺人未遂の現行犯で逮捕。後に殺人罪で起訴した。
山上被告は「母親が統一教会に入会し、多額の献金で破産した。それが元凶」と供述。教団トップを狙ったが不可能だったため、「安倍氏を狙った」と述べた。
銃は手製で、元海上自衛隊員だった山上容疑者が自作したとされる。奈良県警の司法解剖によると、銃弾1発が左上腕から入り、左右の鎖骨下の動脈を傷つけ、失血死に至ったとされている。
しかし、こうしたテレビや新聞などの報道で言われている情報とは違った事実がネットなどで議論されている。
そうしたなか「安倍晋三記念講演会2025『真相 奈良の変、戦後体制からの脱却』」が6日、東京都千代田区の星稜会館にて、開催された。
ターサン出版、放射線防護情報センター、そして「安倍晋三元総理暗殺の真相を求める会」の共催によるもので、登壇者の物理学者の高田純氏は科学的視点から、2022年7月8日11時に何が起こったのかを分析し、その結果を語った。

事件後、高田氏はSNS上に拡散された映像や報道ヘリの映像を分析した。ネット上で専門家なども加わり、事件映像を物理・音響の両面から解析した。弾道や発射位置を独自に検証し、事件の真相に迫った。
ネットで集まった調査チームによる現場音声と映像の解析では、2回のパイプ銃の「ドゥオーン」という低音の銃声の間に、「シュピッ」という高い音が入っており、その高音の発生と安倍元首相の頸部に狙撃弾が命中したタイミングが一致していることが明らかになった。
また、山上のパイプ銃から噴出した2回の白煙は地面から1.1メートルの高さで水平方向に飛んでいた。演台上にいた身長1.75メートルの安倍氏の腰部に向かう白煙が山上のパイプの先から飛び出しているが、安倍氏の腰部や背中に銃傷は見つからなかった。
さらに、山上被告の1回目の発砲後に動きだし、防弾カバンとともに安倍氏の背後に飛び込んだ警察SPも無傷だった。もし散弾が本当に発射されていたなら、SPは殉職したはずだ。
これらの解析結果から、高田氏は致命傷を与えたのは山上徹也被告ではなく、「北側から放たれた高速回転する金属弾」であるとの見解を示し、弾痕の向きや現場状況との整合性の欠如を考慮すると「山上の銃は空砲だった可能性が極めて高い」と主張し、山上単独犯行説に重大な疑問を投げかけた。
高田氏は、奈良県警の捜査にも疑念を抱いている。
安倍元首相銃撃事件で奈良県警は、事件当日、山上徹也の不審行動を複数の警察官が目撃しながら職務質問せず、発砲まで放置した。また、現場検証が5日も遅れて開始されたことも、世間からは意図的なものではないかとの見方が出ている。
疑惑が深まる中、真相究明に消極的であった岸田政権および大手メディアの姿勢について、高田氏は証拠の改ざんや隠蔽、情報操作が行われた可能性を指摘。「『山上単独犯』ありきの捜査だ」と述べている。
高田氏が指摘するように山上被告のパイプ銃が空砲であったとすれば、検察の主張する殺人罪は崩れ、起訴自体が破綻する可能性も出てくる。
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