米国務省は、中国共産党(中共)当局に対し、法輪功に対する弾圧を即刻停止するよう改めて求めた。同団体に対する全国的な迫害は1999年7月20日に始まった。これは7月20日を前にした呼びかけである。
国務省の報道官は大紀元に、「中共は26年以上にわたり、法輪功学習者およびその家族に対して弾圧を続けてきた。我々は再び、中国共産党に対し、法輪功を根絶しようとするその弾圧を終わらせるよう求める」と述べた。
1990年代後半には、中国国内で約7千万~1億人が法輪功を修煉していたと推定されている。多くの人々が、この精神的修煉法と瞑想を通じて、心身の健康や道徳的向上を実感していたという。
当初、当局は法輪功を支持していたが、その急速な広がりを政権への脅威と見なし、1999年7月20日、迫害を本格化させた。以後、強制労働や拷問、その他の残虐な手段を用いて、信仰の放棄を強要してきたとされる。
法輪功の情報を集約する情報サイト明慧ネット(Minghui.org)によると、こうした弾圧による死者数は、信頼できる証言に基づきすでに数千人が確認されている。だが、中共当局の透明性の欠如により、実際の死者数はこれを大きく上回る可能性が高い。
さらに、独立調査によれば、法輪功学習者が、臓器移植ビジネスの臓器供給源として、本人の意思に反して臓器を摘出され命を落とすケースも報告されている。2019年、ロンドンで開かれた独立法廷は、法輪功学習者が臓器の主要な提供元となっているとの結論を示した。
こうした深刻な人権侵害を受け、米下院は今年、「法輪功保護法案」と「臓器収奪阻止法案」の2本の法案を可決した。これに加え、米国内の5州では、中国での臓器移植を抑制するための法律も施行されている。両連邦法案は現在、上院での審議を待っている。
フロリダ州選出のリック・スコット上院議員は姉妹メディア新唐人テレビに対し、「上院で早急に採決を行うべきだ」と強調。「臓器収奪が行われているのは実に非道だ」と語った。
スコット氏はまた、最近死亡した中国人研修医の事例にも言及。この学生は、自身の勤務先病院で臓器収奪が行われていたことを示す大量の証拠を収集していたという。
「中国政府に対して、我々はこのようなことを決して容認しないと明確に伝える必要がある」とスコット氏は訴えた。
前回の議会で「法輪功保護法案」の提案者であり、現在は国務長官を務めるマルコ・ルビオ氏も、以前から法輪功への弾圧に強く反対してきた。ルビオ氏は2024年に「中国共産党は長年にわたり悪質なキャンペーンを展開してきた。アメリカはこうした行為を容認しない」と述べた。

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また、ルビオ氏は5月、下院外交委員会の公聴会で、「臓器収奪阻止法案」の成立に向け、国務省としても「あらゆる支援を行う」と発言した。
テキサス州選出のブライアン・バビン下院議員は、「臓器収奪は人間の想像を超える行為だ」と語り、次のように続けた。
「これは私がこれまでに聞いた中で最も恐ろしいことだ。政治犯や良心の囚人、反体制派が拘束され、血液型や組織型が登録され、誰かが臓器を『注文』すると、その人物から臓器が強制的に摘出され、命を落とす。これは到底受け入れられない行為だ。そしてそれが、何十億ドル規模のビジネスとなっている」
米国本土でも広がる弾圧 中共当局、法輪功を標的に
中国国内にとどまらず、法輪功学習者を標的とした弾圧は、アメリカを含む海外でも近年深刻化している。内部告発者によれば、この動きの背景には、2022年に習近平が出した指示があるという。
この新たな戦略を主導しているのは、中共の国安部で、対外諜報や破壊工作を担う政府機関である。主な手口は、SNSや欧米メディアを利用して法輪功に関する偽情報を拡散すること。また、アメリカの法制度を悪用して、法輪功や関連団体に対する訴訟や捜査を仕掛ける工作も行われているとされる。
注目を集めた一件としては、中共のエージェント2人が、アメリカの税務当局(IRS)職員を買収しようとした事件がある。彼らは、法輪功の理念に基づいて設立された古典中国舞踊団、神韻芸術団の非課税団体資格を取り消させようとしたが、FBIの潜入捜査により未然に阻止された。

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法輪功のコミュニティ全体に対しても、2024年以降だけで140件以上の脅迫行為が確認されており、物理的暴力や爆破予告など、迫害の実態を訴える活動を妨害する意図が明らかだ。
今年初めには、ワシントンD.C.のジョン・F・ケネディ・センターでの神韻初日公演に爆破予告があり、会場が一時避難措置を取る事態となった。これに対し、ホワイトハウスも非難の声明を出している。
米下院外交委員会の元委員長、マイケル・マコール議員は、このような攻撃性は中共の本質だと指摘した。
マコール氏は新唐人に「彼らは法輪功を憎んでいる。共産主義以前の中国を語る人々を憎んでいるのだ」と語った。
7月17日にワシントンで予定されている法輪功の集会を前に、メリーランド州選出のジョニー・オルシェフスキー下院議員は、「こうした人権侵害を告発し、平和的に立ち向かう人々に感謝したい」と述べた。
「人権の観点から見ても正しい行動であり、また長期的に見てアメリカの国益を守るためにも必要なことだ」と語った。
米議会では現在、中国の人権問題に対処する手段として「貿易」を武器にするべきだとの声が高まっている。
アラバマ州選出のトミー・タバービル上院議員は、「すべては人権を中心に考えるべきだ」とし、貿易を重視すべきだと主張。ニュージャージー州選出のクリス・スミス下院議員もこれに同調し、「中国のような輸出依存型経済に対して、貿易こそが我々の持つ最大の武器だ」と述べた。
スミス氏は大紀元に、「意志さえあれば道は開ける」と語り、「人権を理由に中国製品が米国市場で売れなくなれば、(中共)政権は方針転換を迫られることになるだろう」との見方を示した。
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