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米アップル中共頼らず 米国のレアアース企業と契約締結

2025/07/18
更新: 2025/07/18

最近、アップル社は米国のレアアース企業と5億ドル相当の契約を締結し、今後、安定的にレアアースや磁石を確保することで、中国共産党(中共)によるレアアース輸出制限から生じるリスクを回避することを目指している。これは米国のレアアース企業MPマテリアルズにとって大きな突破口となり、同社の株価は2割も急騰した。

契約によると、アップルは2027年からの磁石供給のために、MPマテリアルズに2億ドルを前払いする。契約には、これらの磁石をすべてリサイクル素材を用いて製造することが定められており、アップルが一貫して追求してきた採掘資源の使用削減という目標に合致している。

レアアースは17種類の金属から成る材料群で、磁石の製造に使われ、電力を動力に変えることができる。たとえば、携帯電話を振動させる装置などがその一例だ。また、兵器システムや電気自動車、各種電子製品にも広く応用されている。

アップルのCEO、ティム・クック氏は「レアアース材料は先端技術にとって非常に重要であり、この協力関係は米国における重要素材の供給強化に寄与するだろう」と述べている。

MPマテリアルズは現在、全米で唯一レアアース鉱山を運営している会社で、本社はラスベガスにある。先週、同社は米国防総省と数十億ドル規模の契約を結び、国防総省が最大株主となった。

契約にはレアアースの価格下限を設定する項目も含まれており、国内の鉱山や加工施設への投資を促す狙いがある。この種の投資が過去に進まなかった理由の一つは、中国による長期間にわたる価格抑制であった。

この契約が発表された後、MPマテリアルズの株価はほぼ倍増した。さらにアップルとの新契約により、株価は15日に約20%急騰し、史上最高値を記録した。

トランプ大統領による関税引き上げへの対抗措置として、中共は今年4月、レアアース製品に輸出規制を課した。6月に米中両国が協議を行い、多くのレアアースに関する紛争は解消されたものの、中国は依然として世界の約92%のレアアース加工産業を支配している。こうした貿易摩擦の継続により、多くの企業が中国以外の供給源を模索する動きを強めている。

分析によると、アップルのような世界的なテック企業にとって、より高いコストを支払ってでも、重要な部品を失うリスクを避けることのほうが重要とされている。安定したサプライチェーンの維持が最も大切なのだ。

MPマテリアルズは、この契約によって数億台のアップル製品に磁石を供給することになり、アップルの製品ラインにおいて相当な割合を占めると述べている。現在、MPマテリアルズはレアアースの採掘および加工を担っており、今年末からテキサス州で商業用磁石の生産を開始する予定だ。