日本の夏もセミの鳴き声でにぎわう季節だが、お隣・中国の上海では、その「風物詩」が一変し、まるで災害のような状況に発展している。鳴き声どころか、空からセミの尿がまるで雨のように降り注ぎ、通行人を悩ませているのだ。
この夏、上海市ではかつてない規模の「セミ災害」が発生。街路樹の幹にはセミがびっしりと張り付き、地面には羽化したばかりのセミが群れをなす。市民からは「セミの尿が頭上から噴き出してくる」との苦情が相次ぎ、大音量の鳴き声も睡眠を妨げるレベルに。SNSでも「こんなの初めて見た」との投稿が殺到し、関連ワードはトレンド入りする騒ぎとなった。
「早朝4時頃からセミの鳴き声で目が覚める」「あの立体音響のような鳴き声で頭が痛くなる」と訴える住民が相次ぐなか、住宅地の管理会社などは特別な対策を講じておらず、「これはもはや災害級ではないか」との声も漏れる。中には「雨かと思って舐めてしまった。体に害はなかったが、精神的にはかなりショックだった」と自嘲気味に語る投稿もある。
昆虫専門家によれば、今年は周期的な「セミの大量羽化年」にあたり、複数の種が一斉に地中から出てきたという。さらに連日の猛暑が影響し、樹液を吸ったセミが水分を頻繁に尿として勢いよく吹き出す現象が目立っている。セミの尿はほとんど水分で健康被害はないとされるが、アレルギー体質の人は皮膚にかゆみや赤みが出ることもあり、外出時には帽子や傘での対策が呼びかけられている。
(「セミの大量発生」、2025年7月、中国・上海)
(「セミの尿の雨」、2025年7月、中国・上海)
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