中国経済の停滞が長期化する中、航空各社は生き残りをかけてサービスの見直しを進めている。国有大手3社は依然として赤字を計上する一方、民間の春秋航空は、徹底した低コスト戦略により黒字を確保している。
春秋航空は、預け荷物や機内食、毛布、飲料水などを有料とする「エア・ローコスト・キャリア(LCC)」モデルを採用し、運航コストの削減を実現している。これにより、運賃を大幅に抑え、価格重視の顧客層をターゲットにしている。
しかし、この徹底したコスト削減が、乗客の不満を招くこともある。特に、機内温度が意図的に低く設定され、毛布の購入を促すのではないかとの疑念がSNS上で広まり、話題となった。会社側はこれを否定しているが、座席や荷物サービスの有料化に加え、頻繁に流れる機内販売のアナウンスに落ち着かないとの声もあり、低価格の裏側にある不便さや苦情は絶えない。

さらに、大手航空各社もこれに追随し、座席の軽量化により窮屈さが増し、食事や無料の預け荷物サービスも縮小された。表向きはフルサービスを維持しているものの、実態は格安航空並みに切り詰められており、「偽りの格安航空」と揶揄される状況だ。
一部の短距離便では、座席に貨物を縛りつけて旅客と同時に運ぶ「混載運航」も導入されている。乗客からは「途中で荷物が傾いたり倒れたりし、そのたびに客室乗務員が直しに来るので落ち着けない」「まるで貨物のついでに運ばれている気分だ」といった苦情が相次いでいる。
生き残りを最優先とする経営判断であるものの、ブランドへの信頼は確実に損なわれつつある。SNS上では「次は別の航空会社を選ぶ」との声が広がり、節約策はすでに利用者の強い不満を招いている。

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