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中国 スマホ一つで借りられる手軽さが、中国人を破綻寸前に追い込む

借金で生き延びる中国人 ネット融資に依存する8300万人

2025/09/18
更新: 2025/09/18

中国では経済の低迷と失業の広がりを背景に、ネット融資に頼って生活をつなぐ人が急増している。

経済調査会社Gavekal Dragonomicsの推計によれば、2024年だけで個人ローン返済を滞納している人は2500万〜3400万人に達し、5年前の倍に膨らんだ。さらに返済が遅れているがまだ正式な「債務不履行」には至っていない人を含めると、その数は6100万〜8300万人にのぼり、15歳以上の人口の5〜7%に相当する。Gavekalは中国経済の分析で国際的に知られる調査会社であり、その推計は金融機関などでも参照されている。

生活は「借金で借金を返す」状態だ。上海や西安を転々とする40代の男性は、4年間で9つのプラットフォームから総額約300万円を借りた。給料が入れば埋め合わせできると思っていたが、返済額が雪だるま式に増え、破綻寸前まで追い込まれた。同じように借金に依存する人々の体験談がSNSに次々と投稿されている。

ネット融資は大手の「花唄」や「白條」といったサービスから、中堅の「拍拍貸」、さらに無名の高利貸しまでさまざまだ。申請から入金まで数分で済む手軽さが利用を後押しするが、その代償は大きい。大手でも1万円借りれば1.1万円、中堅なら1.3万円を返さなければならない。高利貸しではさらに極端で、1560元(約3万2千円)の借入が17日で1万3千元(約26万7千円)以上に膨らんだ例もある。

返済できなくなれば、借金は第三者に売られ、取り立てがエスカレートする。電話での嫌がらせや家族への脅迫は日常茶飯事で、若者が追い詰められて命を絶つ事件も後を絶たない。

中国政府は「消費拡大」を繰り返し呼びかけてきた。ネット融資はその方針と歩調を合わせ、借金をしてでも消費を続けさせる仕組みを広げている。多くの人々が「借りるしかない」と思い込み、出口のない債務の泥沼にはまり込んでいるのが現実である。

李凌
エポックタイムズ記者。主に中国関連報道を担当。大学では経済学を専攻。カウンセラー育成学校で心理カウンセリングも学んだ。中国の真実の姿を伝えます!