ユタ州の保安官は9月17日、チャーリー・カーク氏暗殺の疑いがあるタイラー・ロビンソン容疑者の逮捕について詳しい情報を提供し、容疑者は法執行機関に射殺されることを恐れていたと述べた。
ワシントン郡のネイト・ブルックスビー保安官は、自身の部下だった元警察官から連絡を受けたと説明した。その元警察官はロビンソンの家族を知っており、家族が容疑者の自主的な出頭を望んでいると付け加えた。
「その電話の中で、タイラー(容疑者)が自殺を考えている可能性があること、郡内の人里離れた場所に向かっている可能性があることが伝えられた」とブルックスビー氏は記者会見で語った。
「両親がそれを思いとどまらせ、自分たちがそばで支え、助けながら平和的に出頭できるよう伝えたのだ」
元警察官はその後、容疑者と両親を車で保安官事務所に連れてきた。その元警察官は、電話があった1時間以内にロビンソン容疑者と両親を車で保安官事務所に連れてきた。
ブルックスビー氏によると、ロビンソン容疑者は「自分の顔写真や銃がニュースで流れるなど、警察の包囲網の中で捕まるのは避けられない」と考えていた。彼はSWAT [1]が自宅に襲撃するのではないか、あるいは警官に撃たれるのではないかと恐れていた。そのため、本人が安心して出頭できるよう、できる限り穏やかに対応することを条件に交渉が行われた。
[1] 米法執行機関に属する特殊武装戦術部隊
検察当局によれば、ロビンソン容疑者の母親は捜査官に対し、息子は近年政治的により左傾化し、同性愛やトランスジェンダーの権利擁護の立場を強めていたと語った。またロビンソン容疑者はトランス女性と自認するルームメイトの男性と恋愛関係にあったという。
暗殺を企てた動機について両親に問われた際、ロビンソン容疑者はカーク氏のことを指して「悪が多すぎる。あの男は憎悪を広めすぎている」と話したと検察は述べた。カーク氏は保守系の政治活動家でドナルド・トランプ大統領の有力な支持者だった。
当局はライフルの引き金からロビンソン容疑者の指紋を発見し、銃を包んでいたタオルからもDNAを検出した。押収された弾丸には一部が反ファシスト的な内容を含む刻印があったという。
一方、ブルックスビー氏は、脅迫が相次いでいるためロビンソンの家族に当面は公の場に出ないよう助言した。自身の遠縁で同じ姓を持つ眼科医の従兄弟の診療所にも脅迫電話がかかってきていると語り、当事者ではない人々にとっても負担が大きいと懸念を示した。
また、インターネット上で広まった「ロビンソンの父親が副保安官で息子を手錠で拘束した」という噂を否定した。実際には、ロビンソンの関与について最初に通報したのは父親と同姓同名の元副保安官だったという。
ロビンソンは17日、初めての出廷を果たし、保釈なしの勾留が決定された。次の審理は9月29日に予定されている。弁護人はまだ選任されておらず、代理人がいるかどうかも不明である。
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