中国の大型連休初日、湖南省の高速道路で、かつて例を見ない渋滞が発生した。原因は、他でもない「大量の活魚」であった。
1日朝、同省内を走行中の活魚運搬トラックが横転し、荷台の水槽が破損。勢いよく飛び散った水とともに、数百匹もの魚が一斉に路上へと跳ね出した。アスファルトの上は瞬く間に「ぴちぴちと躍る海」と化し、交通は完全に麻痺した。
通行人が撮影した映像には、路面を跳ね回る魚群と、それを取り囲んで茫然と立ち尽くすドライバーたちの姿が映る。中には、「釣り堀が開業したのか」「夕食の材料が揃った」と冗談を交わす者もいたという。
最終的に、警察と通行人の協力により魚は脇へと移され、数時間後には通行が再開された。
SNS上では、「史上もっとも“活きのいい渋滞”」「魚も自由を求めたのだろう」「天然の交通規制」など、ユーモアを交えた投稿が相次ぎ、話題を呼んでいる。
しかし、笑い話では済まされないのが運転手である。積荷の魚はすべて失われ、車両も損傷。さらに清掃費の負担も求められる見通しだ。ネット上では、「魚も逃げたが、運転手の給料も逃げた」と、同情を寄せる声が多く見られる。
(道路上に散らばった活魚、2025年10月1日、湖南省株洲市)
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