アメリカのトランプ大統領は10月22日、ロシアのプーチン大統領との首脳会談を中止したことを明らかにした。外交的な進展が見られず、開催の時期が適切でないと判断したためだ。
トランプ大統領は同日、ホワイトハウスで記者団に対し「プーチン大統領との会談を取りやめた。何か違和感を感じた」と述べた。
さらに「目標を達成できないと感じた。だから今回は中止したが、今後改めて会談を行う考えだ」と語った。
大統領はまた、ロシアとウクライナの和平交渉が停滞している現状についても不満を示した。
「正直に言えば、プーチン大統領とは電話で毎回良い会話ができているが、その後はまったく進展がない。何の変化もない」と述べた。
会談中止の発表と同日、ホワイトハウスはロシアの石油輸出を対象とした新たな制裁措置を発表した。これは、ロシア当局に圧力をかけ、ウクライナでの軍事行動を停止させることを目的とした包括的な政策の一環である。
トランプ大統領は「我々が取り組んでいることを考えれば、今日は極めて重要な日である。ご覧のとおり、今回の制裁は非常に厳しい。対象はロシアの二大石油企業であり、この制裁が長期化しないことを願っている。戦争が沈静化することを望んでいる」と述べた。
また、大統領はアメリカによる制裁がプーチン大統領の譲歩を促すことを期待しており、同時にウクライナのゼレンスキー大統領にも理性的な対応を求めた。
「一方の努力だけでは物事は進まない。我々は今後の成り行きを見守る」と付け加えた。
トランプ大統領は前日の21日にも、プーチン大統領との「時間の無駄になるような会談」は行いたくないと述べていた。会談は数週間以内にハンガリーで開催する予定だったが、ロシア側は即時停戦には否定的な姿勢を示しているとみられる。
「時間を無駄にしたくない。だからこそ、今は成り行きを注視している」とトランプ氏は21日に語った。
一方、20日にはルビオ国務長官がロシアのラブロフ外相(セルゲイ・ラブロフ)と電話会談を行った。ラブロフ氏は会談後、モスクワで記者団に対し、トランプ大統領とプーチン大統領が8月にアラスカで会談して以降、「ロシアの立場は変わっていない」と述べた。モスクワ当局は「持続可能で恒久的な平和」を望んでいるものの、「成果のない即時停戦」には応じる意向を示していないとしている。
22日朝、クレムリンはハンガリー・ブダペストで予定されていた首脳会談の日程について「まだ確定していない」と説明したが、準備は引き続き進められているとした。
プーチン大統領の報道官ドミトリー・ペスコフ氏は「まだ最終決定には至っていない。実現には入念な準備が必要であり、時間を要する」と語ったうえで、「現時点で新たな情報はない。この件をめぐって多くの憶測や噂が飛び交っているが、そのほとんどは事実ではない」と述べた。
ウクライナ当局は22日、ロシア軍が前夜、新たなミサイルおよび無人機による攻撃を実施し、子供2人を含む6人が死亡、国内各地で停電が発生したと発表した。
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