トランプ大統領は1月4日、ベネズエラで実施した精密なアメリカ軍の空爆により同国の指導者を拘束したことを受け、コロンビアおよびメキシコの麻薬密売組織に対しても、アメリカ軍が行動を起こす可能性があると警告した。また、キューバの共産主義政権はいずれ自壊する可能性が高いとの見方を示した。
トランプ氏は、大統領専用機エアフォースワンの機内で記者団の質問に応じ、アメリカがコロンビアに対して軍事行動を取る可能性について問われると、「それはいい考えのように聞こえる」と述べた。
さらに、「コロンビアも非常に深刻な状況にあり、病的な人物に支配されている。その人物はコカインを作り、アメリカに売ることを好んでいる。しかし、それも長くは続かないだろう」と語り、コロンビアのグスタボ・ペトロ大統領を指しているとみられる。
またトランプ氏は、麻薬密輸問題をめぐり「メキシコに対しても何らかの対応を取らざるを得なくなるかもしれない」と警告し、同国政府が麻薬カルテル対策に十分取り組んでいないと批判した。
「麻薬はメキシコを通って大量に流入している。メキシコは態勢を立て直さなければならない。我々は何か行動を起こす必要があるだろう」と述べ、「本来ならメキシコ自身が対処するのが望ましい。能力はあるが、残念ながらメキシコではカルテルの力が非常に強い」と語った。
トランプ氏は、メキシコのクラウディア・シェインバウム大統領と会談するたびに、麻薬取締り支援としてアメリカ軍派遣を申し出てきたと明かしたが、彼女は懸念を示し「受け入れる意思がなく、やや恐れているようだった」と述べた。
キューバに対する軍事行動の可能性について問われると、トランプ氏は必要ないとの認識を示し、同国は収入源を失ったことで自然に崩壊すると予測した。
トランプ氏は、「キューバは収入のすべてをベネズエラ、特にベネズエラ産石油に依存していたが、今やそれを一切得られていない。私は、このまま崩壊すると考えている。軍事行動は必要ないだろう」と語った。
一方、コロンビアやメキシコ、キューバの各国は、アメリカ軍による軍事行動を強く非難している。
ペトロ大統領はX(旧ツイッター)への投稿で、地域の緊張を高め、民間人を危険にさらしかねない「あらゆる一方的な軍事行動」にコロンビアは反対すると表明した。
メキシコ外務省も声明で、ベネズエラにおけるアメリカ軍の軍事行動を批判し、両国間の対話を呼びかけるとともに、国連に対して緊張緩和への関与を求めた。
同省は、「ラテンアメリカおよびカリブ地域は、相互尊重、平和的な紛争解決、武力行使および威嚇の禁止を基盤とする平和の地域である。いかなる軍事行動も地域の安定を著しく損なう」と指摘した。
キューバのミゲル・ディアスカネル大統領は、今回のアメリカの作戦をベネズエラに対する「犯罪的攻撃」だと非難し、マドゥロ夫妻の即時釈放を要求した。また、アメリカ政府が軍事作戦によって現職の大統領を「拉致した」と強く批判した。
マドゥロ拘束後、ベネズエラ最高裁はデルシー・ロドリゲス副大統領を暫定大統領に指名し、軍当局もこれを追認した。
しかし、ロドリゲス氏はマドゥロ夫妻の拘束を非難して釈放を求めるとともに、マドゥロ氏はいまなおベネズエラの正統な大統領であるとの立場を示している。
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