マドゥロ政権13年 ベネズエラGDP75%減少 人口4分の1逃亡

2026/01/06
更新: 2026/01/06

ベネズエラでアメリカ軍特殊部隊が夜間急襲を敢行し、マドゥロ大統領夫妻を拘束した。13年でGDPは約75%減少し、通貨崩壊と飢餓、800万人超の難民流出を招いた独裁政権はついに終焉を迎えた。石油依存と政策失敗がいかに国家を崩壊させたのか、そしてトランプ政権の暫定監督の下で再建は可能なのか。

13年でGDP75%減 ベネズエラ経済崩壊の全過程

マドゥロ政権下での13年間に、ベネズエラ経済は崩壊し、国内総生産(GDP)はおよそ75〜80%減少した。これは近代史上、戦時を除けば最も深刻な経済収縮である。

人々の歓喜は、長年にわたるハイパーインフレ、大飢饉、そして約800万人に上る難民危機を経て、ようやく絶望の暗闇に希望の光を見いだしたことを示している。

経済崩壊の経緯(2013〜26)

マドゥロ大統領は2013年、左派ポピュリズムで知られるウゴ・チャベス前大統領の石油依存モデルを継承した。当時すでに国有化と為替規制の影響で経済は緊張状態にあった。

2014年、原油価格が急落したものの、政権は改革を行わず、GDPの約15%に達する財政赤字を紙幣発行によって補填した。この無謀な政策がハイパーインフレを招き、通貨ボリバル(Bolívar)はほぼ無価値となった。

中央銀行は赤字補填のため紙幣を乱発し、悪循環は加速した。2021年までに通貨価値は累計で14桁下落し、史上例のない通貨崩壊となった。政府は物価統制を試み、2014年に施行した「公正価格法」で企業に原価以下の販売を義務づけたが、これが供給不足を深刻化させ、商品の8割以上が市場から姿を消す事態を招いた。政策はことごとく裏目に出て、経済は事実上の制御不能状態に陥った。

経済の主要指標

 

国営石油会社PDVSAの生産量は、かつての1日300万バレルから2020年には70万バレル未満にまで落ち込んだ。原因は、2003年の大規模ストライキ後に政権側が約1万8千人の技術者を解雇し、忠誠派の人材に入れ替えたことによる。整備不足により油井の圧力が失われ、生産能力が壊滅的に低下した。

さらに、2019年に発生した全国的大停電は、国内電力の約80%を担うグリ水力発電ダム(Guri Dam)の配電システムの整備不足と火災が原因であった。この停電による経済損失は29億ドル(約4350億円)に達した。こうして国家の基盤を支えてきた経済構造は、政治的粛清と管理不全によって「構造的崩壊」へと陥った。

800万人が国外脱出 史上最大級の難民危機

長年にわたり、国民は極度の生活苦に直面した。一人当たりGDPは急落し、多くの人々が財産を失って国外へ逃れた。あるベネズエラ人はYouTube上で「私たちがアメリカに逃げたのは『アメリカン・ドリーム』のためではない。ただ生き延びるためだった」と訴えた。

2017年には飢餓が深刻化し、国民の平均体重は約24ポンド(約10.9キログラム)減少した。約800万人が国外に脱出し、これは総人口の4分の1を超えた。戦争を伴わない移民としては史上最大規模である。

2024年の大統領選挙不正が最終的な引き金となった。同年7月、マドゥロ政権は選挙結果を改ざんし、流出したデータによれば、野党候補ゴンサレス氏が67%の得票を得ていたとされる。政権は約2千人の反対派を逮捕し、抗議デモを暴力的に鎮圧した。

マドゥロ大統領の逮捕を受け、反対派指導者で2025年にノーベル平和賞を受賞したマチャド氏は「自由の時が訪れた」と宣言した。スペインに亡命中のゴンサレス氏も「我々は祖国再建の大事業を始める準備が整っている」と表明した。

トランプ大統領は、アメリカによる暫定監督のもとで石油生産を再開し、ベネズエラの収入基盤再建を進める方針を明らかにした。

財子