中国の公式出生率 数十年ぶりの低水準に

2026/01/20
更新: 2026/01/20

奨励策があるにもかかわらず、景気減速の中で都市部での生活費の高さと雇用の不安定さに悩む中国の若者は、家庭を持つことに消極的だ。

 

中国は2025年に過去最低の出生率を記録し、中国共産党政府が自ら招いた人口危機を回避する上で直面している課題が浮き彫りになった。

国家統計局(NBS)が月曜日に公表したデータによると、昨年に生まれた新生児は792万人で、2024年の954万人から減少した。人口1千人当たりの出生率は5.63となり、中国共産党(中共)が中国本土を掌握した1949年に公式統計が始まって以来、最低水準となった。

分析家が共産党政権の地政学的野心を損なう可能性があると指摘する人口危機が迫る中、中共指導部は一連の奨励策を打ち出してきた。現金給付や税制優遇措置など、地方当局はここ数年、夫婦に2人または3人の子どもを持たせるため、さまざまな取り組みを試みてきた。北京の中央当局も、3歳未満の子ども1人当たり年間約500ドルを支給する全国的な補助金制度を導入した後、昨年秋には無償の就学前教育プログラムを開始した。最新の措置の一つとして、1月1日からコンドームなどの避妊具に付加価値税が課されている。

財政支援と並行して、大規模な宣伝活動も行われている。中国の国営メディアや政府当局は、「前向き」で「健全」な結婚観や出産観を促進するとして、若い世代に残る約半世紀にわたる家族計画政策の影響を払拭しようとしている。

1979年から2015年にかけて、中国では一人っ子政策として知られる全国的な制度の下、1人を超える子どもを持った夫婦は、多額の罰金や失職、さらには強制中絶に直面することが多かった。当局は当時、この政策によって4億人の出生が防がれ、資源や環境への圧力が軽減されたと主張していた。今年は、政権がこの悪名高い政策を放棄し、2人目の出産を認めてから10年に当たる。人口増加を促すため、北京は2021年に上限を3人に引き上げた。

しかし、中共政府の取り組みにもかかわらず、経済減速の中で都市部の生活費高騰や雇用不安に直面する多くの若い中国人は、家族を持つことに消極的な姿勢を崩していないようだ。民政部のデータによると、婚姻届の件数は昨年、前年から5分の1減少し、過去最低を記録した。一方で離婚率も上昇しており、年間の離婚件数は昨年262万件に増加した。

出生率の低下に加え、中国は支援を必要とする高齢者の増加にも直面している。最新のデータでは、60歳以上の人口は3億2340万人に達し、総人口の約23%を占めた。

中共政府自身の推計では、2035年までに60歳以上の成人は人口の少なくとも30%、4億人を超えるとされており、この数は米国の総人口を上回る。

高齢化への対応として、中国当局は昨年、15年かけて定年年齢を段階的に引き上げる計画を承認した。

昨年の死亡者数は1131万人となり、2024年の1093万人から増加した。

その結果、総人口は4年連続で減少し、339万人減の14億500万人となった。

中共政府の公式統計の信頼性については、共産党が自らのイメージに不都合とみなした情報、特に新型コロナウイルスの流行に関連するデータを隠蔽してきた経緯があることから、長年疑問が呈されてきた。パンデミック中に何人の中国人が死亡し、それが人口動態にどのような影響を与えたのかは、いまだ明らかになっていない。