台湾内政部移民署は1月19日、中国による台湾統一を鼓吹する内容を動画投稿サイトに投稿していた中国人配偶者の女性について、長期居留許可を廃止したと発表した。女性はすでに今月中旬、自主的に台湾から退去したという。
中央通訊社によると、女性は中国版ティックトック「抖音(ドウイン)」において、「遅かれ早かれ台湾は五星紅旗でいっぱいになる」「早く統一してほしい」「統一しなければ私たちは毒に殺される」「台湾は中国の不可分の一部だ」などと投稿していた。これを見た複数の台湾市民が当局に通報した。
移民署は書面で、当該言動が両岸関係を定めた「台湾地区・大陸地区人民関係条例」などの関連規定に抵触すると判断し、関係機関と協議のうえ、国家安全や社会の安定を害する恐れがあると認定したと説明した。処分にあたっては、当事者に意見を述べる機会を与えたうえで、法に基づき期限内の出境を命じたとしている。
台湾では昨年も、中国による武力統一を鼓吹した疑いで、少なくとも4人の中国人配偶者が居留許可の廃止などの行政処分を受けている。
今回の措置について、台湾当局は特定の思想や意見そのものを処罰したものではなく、武力統一を正当化する表現や恐怖をあおる言動が、外国籍の長期居留者という立場から発信された点を問題視したとしている。刑事罰ではなく、在留資格という行政上の許可の見直しにとどめた点も特徴である。
一方、日本の現行法制では、外国人の在留資格管理において国家安全や「公の秩序」との関連は一定程度考慮されているものの、特定の政治的言論の内容そのものを直接の理由として、国家安全を根拠に在留資格を取り消すことを明確に認める規定は設けられていないと認識している。
入管行政においては在留資格の更新や取消が可能であるものの、純粋に言論内容のみを理由として国家安全上の危険を認定し、直ちに在留資格を取り消す仕組みは、台湾の特別法制と比べると明文上は必ずしも整備されていない。
仮に日本で、在留外国人がSNSなどで日本の主権を否定し、外国による武力行使を繰り返し正当化した場合でも、現行制度の下では、それ自体を直接の根拠として台湾のように在留資格を取り消す明確な規定は限定的である。主に刑法犯の成立や「公の秩序」を害する具体的危険の有無などを通じて判断すると考えられる。

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