中国・江蘇省(こうそ しょう)で、思い返すだけでも背筋が凍るような出来事が注目を集めている。それが善意につけ込む罠だったのか、それとも単なる誤解だったのか——現時点では判断がつかない。
2025年12月27日午後9時過ぎ、仕事を終えて帰宅途中だった女性が、街灯の少ない道路脇でひとり泣いている少女を見かけた。周囲には人通りがほとんどなく、車の往来も少なかったという。
気になって足を止め、声をかけると、少女は涙を流しながら「家まで送ってほしい」と繰り返した。タクシーを呼ぼうとすると首を振り、警察に連絡すると伝えると、はっきりと拒否した。理由を語ろうとはしなかった。
それでも少女は、自分の住所だけは具体的に口にしたという。
「信じてほしい」「これが最後だから」
その言葉を何度も繰り返した。
女性は次第に違和感を覚え、その場で警察に通報した。
しかし通話を終えて顔を上げると、先ほどまでそこにいたはずの少女の姿はすでに見当たらなかった。暗がりの中を走り去る音も、足音も聞こえなかったという。
この体験が動画として公開されると、ネット上では大きな反響が広がった。「新しい詐欺や人さらいの手口ではないか」と警戒する声が相次いだ一方、「警察という言葉を出すと消えるのは不自然だ」と指摘する意見も見られた。
注目されたのは、「自分も似た体験をした」という書き込みが複数寄せられた点である。
ある投稿者は「ほぼ同じ状況に遭遇した。何を聞いても答えず、警察に通報すると言った途端、1分もしないうちに姿が消えた」と振り返っている。
また、「友人も最近、似た場面に出くわした」という声もある。友人は、路上で倒れたふりをして苦しそうにしている少女を見かけたが、一人で送ることをためらい、その場を離れると、少女は自力で歩き去ったという。
一方で、「本当に助けを必要としていた可能性もある」「警察を恐れる事情があっただけかもしれない」「事情が分からない段階で詐欺と決めつけるべきではない」といった慎重な意見も上がっている。
同様の体験談が複数語られていることから、この出来事は単なる偶然なのか、それとも共通する背景があるのか、議論が続いている。
あの夜、あの場所で、少女は何者だったのか。善意で声をかけた判断は正しかったのか。それとも危険を避けられたことを幸運とみるべきだったのか。女性の胸に残ったのは、言葉にしがたい違和感である。
真相は、今も分からないままである。
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