張又俠失脚を問われ 中共報道官 うつむき資料を慌ててめくる

2026/01/30
更新: 2026/01/30

中国共産党(中共)軍上層部の動揺が、台湾海峡情勢にどのような影響を及ぼすのか、外部の関心が高まっている。1月28日に行われた中共国務院台湾事務弁公室(国台弁)の定例記者会見では、台湾メディアが中共軍事委員会副主席・張又俠の失脚について質問した。国台弁の報道官は、気まずそうにうつむき、資料を慌ただしくめくり続け、張又俠や劉振立の名前には一切触れなかった。

記者会見で、台湾中央社の記者は、「張又俠と劉振立が立件調査を受けているとされる中、中共軍上層部の人事動揺が、両岸関係の今後に影響を与えるのか」と質問した。

張晗(ちょう・かん )報道官は、気まずそうにうつむき、手元の小さなノートを少なくとも約10秒間、必死にめくり続けた。

その後、張又俠の失脚に関する質問への回答に入る際も、張晗報道官は再びノートに目を落とし、言葉を選ぶようにためらいながら、「二つ目の質問についてだが……立件審査や調査に関しては、中共中央と中央軍事委員会が、腐敗を取り締まるにあたり、聖域はなく、全範囲を対象とし、ゼロ容認の姿勢で臨んでいることを改めて表明する」と云々した。

回答の過程で、張晗報道官は少なくとも12回ノートに目を落とし、終始、張又俠と劉振立の名前を口にすることはなかった。

回答を終えた後も、張晗報道官はその場に一瞬とどまり、意味深な視線を送った。

さらに、国台弁の公式サイトに掲載された記者会見の文字記録でも、張又俠や劉振立の名前は一切記されておらず、「中国の軍隊高層の人事問題」という表現に置き換えられており、張又俠失脚事件の敏感さが浮き彫りとなっている。

この気まずい対応を収めた映像は、X上で急速に拡散し、ネットユーザーからは次のような皮肉や揶揄の声が相次いだ。

「表情を見れば、恐怖で顔が真っ青なのが分かる」
「ノートにこの質問の答えが用意されていたか確認しているのだろう」
「ノートは空白、嘘は崩壊、張晗報道官はパニックだ」
「答えがないのは彼女ではなく、その背後の人間だ。報道官は耳に小型イヤホンを付けて指示を受けるが、この質問はあまりに厄介で、裏方でも上層部に確認を取り、指示や回答を待っていた」
「これは非常に重要だ。説明を用意していなかったことは、現時点で情勢がまだ定まっていない証拠だ。その視線からも、この件について本人が心理的に確信を持てておらず、自分の立場での解釈を述べることしかできず、実際の状況を代表しているわけではないことがうかがえる」

また、「習近平による張又俠拘束のやり方は、中共党内で大きな論争と分裂を生んでいることは明らかだ」との指摘もあった。

長年にわたり両岸情勢を研究してきた台湾陸委会主任委員・邱垂正氏は、張又俠失脚後の両岸関係に強い懸念を示している。

邱氏は、「もし習近平を支え、専門的判断の下で、総合的に計画を立てる人間がいなければ、民族主義に流され、単純で粗暴な方法で、複雑かつ敏感な問題を解決しようとするリスクがある。そうなれば、誤りを犯しやすくなる」と述べた。

張又俠は軍内でナンバー2の地位にあり、習近平の軍中における最重要の側近と広く認識されてきた。外部では、張又俠の失脚は、紅二代が軍内で持ってきた影響力を大きく削ぐだけでなく、習近平の従来の軍内派閥や紅二代との決別を意味すると見られている。

張又俠の失脚後、両者の間に存在していた水面下の対立の内情が、次々と明らかになっている。大紀元が中共軍内部から得た最新情報によると、張又俠と劉振立が調査されることについて、軍内部では、武官体系を中心とする既存の権力構造に対する集中粛清と受け止められており、複数の戦区で将兵の強い不満を招いているという。

また、中共の軍政系統に詳しい関係者によると、張又俠と劉振立の失脚が発表された当日、中共中央軍事委員会弁公庁は、各級部隊に対し少なくとも2通の文書を出して、中共中央および軍事委員会と歩調を合わせ、関連学習や意思表明に協力するよう求めた。しかし、多くの軍区では反応がなく、高層部からの軍令伝達ルートは完全に機能不全に陥ったという。

アメリカ在住の民主化運動家・唐柏橋氏は、「私が把握している限り、軍の中では多くの人が公然と不満を示している。現在、軍隊では明らかに不服従の空気が広がっており、いつ反発が起きてもおかしくない」と語った。

さらに唐氏は、習近平と張又俠の関係について、「これは粛清でも整粛でもなく、対抗だ。特に台湾問題では、両者の見解は大きく異なっていた」と指摘した。

唐氏は続けて、「外部では、張又俠が強硬派で台湾侵攻を主張し、習近平がそれを望んでいなかったという見方が広まったが、こうした見方は事実とは180度異なる誤解だ。中共側が意図的にこのような情報を流した可能性もある。つまり、世論の面で張又俠を不利な立場に追い込むためだ。実際にはその逆で、台湾侵攻を断固として阻止しようとしていたのは張又俠だった」と述べた。

唐氏はまた、一連の状況を見る限り、張又俠拘束の問題は、まだ決着していないと述べた。膠着状態にある理由については、多くの人が習近平に対し、この処置は不適切で、張又俠への処分を撤回してほしいと伝えているためだとみられる。しかし、撤回するのは難しいとも指摘した。