2月14日の夜、中国・河南省のテレビ局による旧正月特番が、生放送の途中で突如中断された。画面は突然広告に切り替わり、その後、番組は再開されなかった。
番組を制作したのは河南衛視である。河南省の省営テレビ局だが、ここ数年は中国の伝統文化を前面に出した美しい演出で注目を集めてきた。アイドル中心ではなく、古典舞踊や歴史をテーマとした番組づくりにより、若い世代からも支持を得てきた。
今回の特番も、その路線を踏襲していた。
たとえば、「飛天」。古い仏教壁画に描かれた、空を舞う天女をモチーフとした演出である。
さらに、山西省にある道教寺院・永樂宮に残る壁画「朝元図」をもとにした演目もあった。これは、道教の最高神の前に無数の神々が並び立つ場面を描いた巨大な宗教画である。
つまり、本番組は「神」や「天」といったテーマが色濃く表れていた。
中国では旧正月特番は家族で楽しむ国民的イベントである。その生放送が途中で途絶えたことで、インターネット上ではすぐに憶測が飛び交った。
「広告が多すぎたのではないか」
「宗教色が強すぎたのではないか」
「無神論を掲げる体制と合わなかったのではないか」
こうした声が相次いだが、現時点で公式な説明は出ていない。
視聴者の記憶に強く残ったのは、「神々が舞った直後に、画面が消えた」という出来事そのものである。
それは単なる放送トラブルであったのか、それとも番組内容に問題があったのか――。
答えが示されないまま、疑問だけが静かに広がりつつある。
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