中国の国営テレビ局・中央テレビ(CCTV)が大みそかに放送した恒例の歌番組「春晩」。例年は祝賀ムードを象徴する赤色が舞台を埋め尽くすが、2026年の番組では一転して青や黒を基調とした演出が目立った。
舞台装置、照明、出演者の衣装に至るまで全体に寒色系が多く、「いつもの華やかさがない」「どこか暗い印象」といった声が中国のSNSで広がっている。
この色彩の変化の背景にあるのではとささやかれているのが、「赤馬紅羊劫(せきばこうようごう)」という伝承である。
2026年は「丙午(ひのえうま)」、翌年は「丁未(ひのとひつじ)」にあたる。この2年を合わせた呼び名が「赤馬紅羊劫」である。「劫(ごう)」とは仏教由来の語で、大きな災難や時代の激変を意味する。すなわち「赤馬紅羊」とは、動乱や社会の大転換が起きやすいとされる年回りを指す古い伝承である。
実際、前回の丙午の年は1966年で、中国では文化大革命が始まり、社会は長期の混乱期に入った。このような歴史的記憶もあり、この年回りは単なる暦以上の不穏な象徴として語り継がれてきたのである。
一部の評論家の間では、「火の気が強い年であるため、火を抑える水の色(青・黒)を多用したのではないか」との見方も出ている。しかし、番組側が色彩演出について公式に説明した事実は確認していない。
例年の「赤一色」からの変化は確かであるが、それが何を意味するのかについては見る側によって解釈が分かれる。
経済減速や社会不安が続くなか、ささいな色の違いにも敏感になる社会的な空気が広がっているのは確かだ。
この色の変化は偶然なのか、それとも時代の空気を映す鏡なのか。少なくとも今回の「青い春節」は、多くの人々に「何かが違う」と感じさせた。

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