中国で公開予定だった愛国映画『澎湖海戦』が、旧正月の大型連休直前に突然ラインナップから外れた。公式な説明はなく、公開時期も未定のままだ。
この映画は、1683年に清の康熙帝が福建の水軍を率いて台湾を制圧した歴史を描いた作品で、宣伝では「台湾統一は止められない」と強いメッセージを打ち出していた。予告編には近年の中国軍による台湾周辺での軍事演習映像も盛り込まれ、台湾統一を正当化する色合いが濃い内容だ。
ところがその直前、中国政府が開いた対台湾政策の重要会議では、これまで前面に出ていた「必ず統一する」という言葉は使わなくなり、「平和の維持」「交流の強化」といった言葉が前面に出た。映画の公開中止は、この姿勢変化と無関係ではないとの見方が広がっている。
背景には、国内経済の減速や国際社会からの圧力があるとも指摘する。アメリカでは最近、台湾の安全が脅かされた場合に中国を国際金融システムから排除する法案を下院で可決した。対外リスクが高まる中、過度に強硬なメッセージは得策ではないと判断した可能性もある。
愛国映画とする作品が静かに姿を消したことは、中国の対台湾戦略が揺れている兆しなのか。それとも一時的な調整にすぎないのか。映画の行方とともに、今後の動きが注目される。
ご利用上の不明点は ヘルプセンター にお問い合わせください。