小泉防衛相が示す防衛力変革の方向性と3つの柱 第5回防衛力変革推進本部開催

2026/03/05
更新: 2026/03/05

3月4日、小泉防衛大臣の下、第5回「防衛力変革推進本部」が開催された。今回の議題は「防衛力の変革の方向性」であり、ウクライナで見られる新たな戦い方の教訓を踏まえつつ、海洋国家としての日本独自の新しい戦術や戦略をいかに実現するかが議論された。

3月4日、小泉防衛大臣は「防衛力変革推進本部」を開催した(出典:防衛省・自衛隊)

会議では、日本を防衛し国民の命を守り抜くために不可欠な要素として、以下の3つの重要ポイントが提示された。

1.スタンド・オフ防衛能力

東西南北約3000キロに及ぶ日本の広大な領域を守り抜くためには、侵攻してくる敵艦艇や航空機を可能な限り遠方で阻止・排除することが不可欠である。特に人口減少が課題となる我が国において、自衛隊員の命を守り人的被害を局限化することは至上命題であり、「侵攻への対処は敵の脅威の外から行う」ことが基本となる。この能力は無人アセットと並んで極めて重要な位置を占めており、速やかな体制整備に向けて今月中には最初の部隊配備が行われる予定である。

2.統合防空ミサイル防衛能力

ウクライナがロシアによる侵略の緒戦において、防空アセットの分散配置等によって戦力の大半を守り抜いたように、防空能力の強化は死活的に重要である。現在、日本周辺では、北朝鮮の極超音速ミサイルや変則軌道を描く弾道ミサイル、中国の多数の地上発射型ミサイルや迎撃が困難な極超音速滑空兵器(HGV)の導入など、空からの脅威が深刻化し続けている。これらの新たな脅威に対し、分散や欺瞞を含めた防空能力を大幅に強化しなければ、有事の初期段階で防衛能力を喪失し、国民の命や日常生活に深刻な影響を及ぼしかねない。

3.太平洋・シーレーン防衛

四方を海に囲まれた日本にとって、衣食住の原材料を海上交通路(シーレーン)を通じた輸入に依存している現状において、シーレーンの安全は経済活動の生命線である。国家の経済活動が維持されなければ、自衛隊が長期戦を戦い抜くことは不可能である。近年、中国空母の太平洋上での航行や中露両国による爆撃機の共同飛行など、太平洋側での周辺国の軍事活動が活発化している。こうした中、太平洋側の防衛体制強化とシーレーン防衛の取組が急務となっており、価値観を共有する同盟国や同志国等との連携深化が求められている。

短期的な抑止力強化の必要性

防衛三文書改定の検討を含め、中長期的に防衛力強化を進めることはもちろん重要であるが、現在の厳しい安全保障環境を鑑みれば、ここ1、2年といった短期間で成果の出る抑止力強化も同様に必要とされている。従来の発想にとらわれることなく、「今できることをいかに実現していくか」という視点を持ち、速やかに実現可能な措置から着実に推進していく方針が示された。

大紀元エポックタイムズジャパンの速報記者。主に軍事・防衛、安全保障関係を担当。その他、政治・経済・社会など幅広く執筆。