壮絶な怒りの作戦 イランのミサイル網を破壊 中共の周到な布陣を頓挫させる

2026/03/06
更新: 2026/03/06

米国とイスラエルが共同でイランへの軍事行動を開始してから、まもなく1週間が経過しようとしている。米・イスラエル両国の強力な空爆火力により、イランの多数のミサイルおよびミサイル製造施設が破壊された。そしてこれにより、中国共産党(中共)が長年にわたりイラン核合意の抜け穴を利用し、イランのミサイル戦力の増強を支援してきた裏工作も白日の下にさらされたのである。

中共、国連のイラン核合意抜け穴で导弹支援

ハドソン研究所の研究員ジネブ・リブワ(Zineb Riboua)氏は寄稿で、次のように述べている。2015年、オバマ政権はイランと「共同包括行動計画(JCPOA)」を締結した。この合意は、ウラン濃縮や遠心分離機の能力・保有量の上限については制限を拡大したものの、弾道ミサイルや巡航ミサイルについてはほとんど触れていない。これらの兵器システムの研究・試験・生産・配備に対する制限は一切規定されなかった。しかし、まさにこれらの兵器こそが、地下に隠された核装置を一つの都市を壊滅させる兵器へと変える力を持っているのである。

爆弾の脅威度は、その投射能力に依存する。しかしJCPOA合意は、イランの投射能力に対して一切の実効的な制限を設けなかった。イランにとって、この抜け穴は極めて重大であった。

数十年に及ぶ国際制裁によってイラン空軍はほぼ壊滅状態となり、老朽化した機体ではイスラエルや主要な湾岸諸国の防空システムを突破することはできない。つまりイランは、航空機による核兵器の投下も、海上輸送による運搬も事実上不可能であり、その核計画は必然的に弾道ミサイルに依存せざるを得なかったのである。

リブワ氏はこう指摘する。中共はこの重大な抜け穴に目をつけ、過去2年間でイランの弾道ミサイル計画の主要供給者となった。中共は固体燃料用化学前駆物質から「北斗3号」衛星測位ネットワークに至るまで、さまざまな資材を提供してきた。「北斗3号」ナビゲーションシステムはイラン軍全体のシステムに組み込まれ、従来の米国GPSを完全に代替している。

米財務省は、イラン革命防衛隊(IRGC)向けにミサイル燃料製造用の化学物質を供給した複数の中共企業に制裁を科している。しかし情報によれば、イランの貨物船がアッバース港で大量の過塩素酸ナトリウムを荷下ろししているという。この物質は既存の監視体制をすり抜けることが可能で、1回の納入量で約800発分の新型ミサイル用推進剤を製造できるとされる。また中共はイランとともに、空母を撃沈可能なCM-302超音速対艦ミサイルの販売交渉も進めている。

2025年12月、米国特殊部隊はインド洋で、イラン革命防衛隊に物資を供給していた中共の軍事物資を積載した貨物船を襲撃した。

トランプ政権は先週末、「壮絶な怒り」作戦を発動したが、その時点でイランは中東最大の弾道ミサイル庫を保有しており、推定2000発の各種射程ミサイルがイラン全土の地下施設に分散配備されていた。これらの施設の再建・補給は、ほぼ中共の支援によって支えられていたのである。

イランの弾道ミサイル発展の経緯とその世界的脅威

リブワ氏は記事の中で、イランが弾道ミサイル能力を発展させていった経緯を詳しく振り返っている。同氏はこう記す。オバマ政権が当時、協議からミサイル問題を除外したのは、巧妙に仕組まれた譲歩であると同時に、意図的な先送りでもあった。核合意の多国間交渉では、中共とロシアがいずれもミサイル制限条項の導入を拒否し、イランもまた「ミサイルの自主開発は主権の権利だ」と主張して一切妥協しなかったのである。

当時、任期終了を控えたオバマ大統領がこの問題で「成果」を上げようとするなら、核問題とミサイル問題を切り離し、あたかも別個の課題として扱うほかなかった。しかし実際には、両者は同じ脅威の異なる側面にすぎない。合意署名後、オバマ氏は「大きな進展を得た、新たな方向に踏み出す機会だ」と強調したが、ミサイル問題の未解決には一言も触れなかった。

国連安保理決議第2231号のミサイル条項も、イランに対して「特定の活動を行わないよう求める」にとどまり、拘束力のあった前の決議(第1929号)とは天と地ほどの差がある。第1929号決議は、核弾頭を搭載可能な弾道ミサイル技術の開発をイランに対して明確に禁じていた。

リブワ氏はさらに、「合意成立を優先するため、オバマ政権は第1929号決議の執行文言を意図的に弱めた」と指摘し、その理由として「ミサイル問題は後で処理できる」という口実が使われたと分析する。イランはこの『後で』という抜け穴を利用し、合意発効から数週間後には弾道ミサイル実験を実施した。もはやそれを阻止する国際的なメカニズムは存在しなかったのである。

制約を脱したイランはその後10年間で、自らのミサイル計画を単なる威嚇手段から、精密かつ大規模な戦略兵器庫へと発展させた。誘導システムを改良し、射程を中東全域から欧州の一部にまで拡大し、推進方式も液体燃料から固体燃料へと移行した。さらに空爆に耐えうる強化型地下発射基地まで構築している。

リブワ氏は「興味深いことに、これらすべてはJCPOA合意のどの条項にも抵触しない」と分析する。そして問題の本質は、これらのミサイルが単なる核兵器投射手段にとどまらない点にある。イランの狙いは、巨大な通常兵器による兵器庫、すなわち膨大な通常戦力を築き上げ、核計画に対するいかなる軍事行動も法外な代償を伴うものにすることにあるのだ。

イラン脅威:湾岸アラブ人質化

ルビオ米国務長官は最近、「イランは1か月に100発の弾道ミサイルを製造できるが、米国は迎撃ミサイルを月に6〜7発しか製造できない」と明言した。迎撃ミサイル1発のコストは100万〜1,500万ドル(約1億5000万〜約22億5000万円)に上る一方で、イラン製ミサイルは1発あたり20万〜50万ドル(約3000万〜約7億5000万円)にすぎないという。

問題は、これらのミサイルがイスラエル国境への攻撃にとどまらないことである。「壮絶な怒り」作戦の開始から数時間以内に、イランは報復としてアブダビ、ドバイ、マナーマの民間地区を激しく空爆した。クウェート国際空港周辺では迎撃されたミサイルの破片が散乱し、UAEでは3人が死亡し、少なくとも58人が負傷した。

リブワ氏は「つまりイランは、以前も今もミサイル兵器庫を脅迫の道具として使い、アラブ諸国を人質同然に扱っている。米国・イスラエルと距離を縮めれば、その国を攻撃するという構図だ」と分析する。そして次のように付け加える。「皮肉なことに、サウジアラビアとUAEはこの展開をすでに予見していた。オバマ政権がイランと交渉した際、両国の意見はまったく顧みられなかったにもかかわらず、二国は公の場で繰り返し警告していた──もし合意がイランのミサイル計画に触れなければ、いずれ自国が脅かされることになると。しかしこの警告は『杞憂にすぎない』と一蹴された。だが今、イランのミサイルはまさに湾岸アラブ諸国の領土に降り注ぎ、その言葉どおりの結果となったのである」。

中共の戦略:米資源消耗戦仕掛け

ルビオ氏による「壮絶な怒り」作戦の目的に関する説明は、過去30年間にわたり米国の外交努力が維持してきた枠組みを打ち破るものとなった。同氏は、今回の作戦の目的はイランの弾道ミサイル能力を破壊し、再建できないようにするとともに、その能力を核開発の隠れ蓑として利用することを阻むことにあると述べた。わずか一言で、オバマ政権による核合意で切り離されていた二つの問題を再び結び付け、「受け入れ可能なイラン」という概念を再定義したのである。

リブワ氏は次のようにも記す。実際、情勢は極めて切迫している。イスラエルの防衛計画担当者たちは、中共が提供する部品、工作機械、技術指導がどのようにイランのミサイル生産ラインを加速させているかを追跡しており、その予測はいずれも暗澹たる結末を示している──2027年までにイランは5000発のミサイルを保有し、2030年末には1万発に達する可能性があるという。すべての弾頭には中共の痕跡が刻まれており、固体燃料推進剤の化学成分から精密な誘導システムに至るまで、中共の影響が見て取れる。​

彼女はさらに、「中共は単にイランと取引しているだけではなく、イランの軍事力を全力で強化し、中東を武力によって支配しようとしている」と指摘する。そのうえで、「中共の思惑がいかなるものであれ、これらの軍事投資は少なくとも三つの面で結果をもたらす」と述べる。

第一に、「米国が中東で迎撃ミサイルを1発発射するたびに、西太平洋地域で使用可能な迎撃ミサイルが1発減る」という点である。「THAAD(サード)」システムや「パトリオット」ミサイルシステム、SM-3ミサイルを搭載した艦艇は、いずれもすでに限界を超えて稼働する同一の生産ラインから供給されている。中共はイランのミサイル生産を加速させることで、一兵も動かすことなく米国の兵器資源に対して消耗戦を仕掛けているのである。

第二に、イランが一斉発射を行うたび、米国は実戦下における電子戦能力、レーダー特性、迎撃ミサイルの性能データをさらけ出すことになり、中共の軍事情報部門に「実戦の実験場」を提供する。その結果、中共は直接対峙することなく米国の防衛システムを研究できる。

第三に、もし米国が最終的に、イランの継続的な爆撃からアラブの同盟国を守りきることができなければ、日本からフィリピン、そして台湾に至るまで、この問題を注視するすべての同盟国が同じ結論に達するだろう──「米国の約束には現実的な限界がある」と。

リブワ氏は、「イランのミサイル再建の速度を抑制しなければ、最終的に米国は破滅的な選択を迫られる」とも記す。その選択とは、「イランの厳重なミサイル防衛体制の下で核封鎖突破を受け入れるか、あるいは台湾海峡に配備する予定だったミサイルを中東に転用してイランと戦うか」のいずれかである。

「壮絶な怒り」作戦 トランプ先手勝利:中共投資水泡

リブワ氏は最後にこう書く──「中共は長年をかけて、この袋小路を巧妙に仕組み上げてきた。『壮絶な怒り』作戦の目的は、最悪の選択を迫られる前に先手を打ち、事態を未然に防ぐことにある。アメリカがこれらのミサイルを破壊したことにより、中共がイランに対して長年注ぎ込んできた戦略的投資と数十億ドル規模の技術移転は、すべて水泡に帰したのである」。

3月4日、ホワイトハウスは戦況を説明する声明を発表した。ホワイトハウスは、「トランプ大統領の指導の下、米軍はかつてない精度、圧倒的な戦力、そして持続的な効率性をもって『壮絶な怒り』作戦を遂行している」と強調した。そのうえで「圧倒的な優位性と破壊的な打撃力をもって、米軍兵士たちはイラン政権が再び米国や同盟国、そして世界の安全を脅かす能力を体系的に崩壊させつつある」と述べた。

ホワイトハウス:発射86%減達成

ホワイトハウスは次のようにも明らかにした。「イランによる戦区弾道ミサイルの発射回数は、戦闘開始初日と比べて86%減少し、過去24時間だけでも23%減少した。単方向攻撃型無人機の発射回数も、戦闘開始当初と比べて73%減少している」。

4日午後、ホワイトハウスのレビット報道官は記者会見で、「米国の目標は、イラン政権の弾道ミサイル計画を破壊し、イランの地域内海軍力を壊滅させ、イランのテロリスト代理勢力を崩壊させ、さらにイランが核兵器を開発することを阻止することにある」と述べた。

イスラエル国防軍参謀総長エヤル・ザミール中将は3月5日、音声声明を発表し、「イスラエルはイランの弾道ミサイルシステムをすでに『制圧』した」と明らかにした。

ザミール中将は、「我々は今、作戦の次の段階に進んでいる。イラン政権の中枢およびその軍事能力への攻撃をさらに強化していく」と述べた。

さらに参謀総長は、次のように明言した。
「24時間のうちに、我々のパイロットたちはテヘランへの道を切り開いた。防空システムのおよそ80%を破壊し、イラン領空における制空権をほぼ完全に掌握した。弾道ミサイル発射装置の60%以上を破壊した」。​

李平