中国では近年、大気汚染や火災防止を理由に、爆竹や花火を禁止する都市が増えている。
しかしこの規制は各地で反発を招き、爆竹を鳴らす若者を警察が追いかけ回す動画が、今や中国の新年の定番の光景になりつつある。
その「定番の衝突」が、広東省陸豊市(りくほうし)ではさらに大きな騒ぎへと発展した。
舞台となったのは、地元で最も盛り上がる祭り「新年游神(しんねんゆうしん)」だ。神様の像を神輿のように担ぎ、町中を巡る伝統行事で、祭りの前夜には爆竹や花火を鳴らして神を迎えるのが昔からの習慣だった。
ところが今年、当局がこの爆竹を禁止した。
それでも3月5日の夜、若者たちは市内で爆竹を鳴らし始めた。やがて警察が取り締まりに現れ、爆竹を鳴らしていた若者の一人を拘束しようとした。
すると周囲の人々が一斉に動いた。
警察車両の周囲に人が集まり始め、現場はあっという間に人だかりになった。
動画には、数百人の人々が警察車両を取り囲み、「放せ」「なぜ捕まえる」と声を上げる様子が映っている。警察は若者を連行しようとするが、人の壁に阻まれ、車は動けなくなった。
騒ぎはそこで終わらなかった。
6日夜から7日未明にかけて、若者たちは再び街に集まり、電動バイクで走りながら爆竹を鳴らし続けた。警察が取り締まりに出動すると、人々は次々と集まり、街の各所で同じような対峙が起きた。
人の数は次第に増え、現場は最終的に1万人規模になったとみられている。
警察は群衆を抑えきれず、市中心部から撤退したとされる。
事実上、爆竹禁止は撤回された形になった。
警察が引き上げると、市民たちは次々と爆竹や花火を持ち出した。
警察の撤退を祝うかのように、街のあちこちで火花が上がり、陸豊の夜空は赤く染まった。耳をつんざくような爆竹の音が街中に響き渡った。
夜が明けると、伝統行事「新年游神」は予定どおり行われ、爆竹の音は、祭りが終わるまで鳴り止まなかったという。
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