米規制当局が解消できない国家安全保障上のリスクがあると判断したことを受け、中国のLEDチップメーカー、三安光電などは、オランダのLumileds Holdingを2億3900万ドルで買収する計画を断念した。
中国企業による海外半導体関連投資を巡っては、聞泰科技によるオランダの半導体企業Nexperiaの買収でも問題が生じており、今回の件は中国テック企業の海外投資が再び頓挫した例となった。
三安光電は17日の公告で、複数回にわたり協議を重ねたものの、対米外国投資委員会(CFIUS)が今回の取引について「解決できないアメリカの国家安全保障上のリスク」をもたらすと判断し、申請の取り下げと買収断念を求めたと明らかにした。
公告では、「双方は2026年4月17日、CFIUSに申請取り下げの書簡を提出し、自主的に取引を断念した」と説明した。
株式買収契約では、国内外の関係当局すべての承認を得ることが、取引完了の前提条件となっていた。
三安光電は2000年11月に設立され、本社は福建省厦門市にある。当初は高輝度LED用エピウェハーやチップ、化合物太陽電池などの研究開発、生産、販売を手がけていたが、2014年からは化合物半導体IC分野にも進出した。
2025年には、三安光電とマレーシアの協力企業Inari Amertron Berhadが、Lumiledsおよびそのヨーロッパ・アジア子会社の全株式取得を目指す共同計画を発表した。これにより、同社がシンガポールとマレーシアに持つ生産拠点を取得し、海外生産拠点を迅速に構築するとともに、海外顧客への安定供給を確保する狙いがあった。
CFIUSが中国関連企業によるLumileds買収を阻止したのは、今回が2度目となる。
Lumiledsは自動車照明など高機能LED製品に強みを持ち、自動車用ヘッドライトやカメラのフラッシュ、特殊照明向けのLED製品やソリューションの製造・販売を主力としている。
2015年には、中国の投資会社、高瓴資本が主導する企業連合が、オランダのフィリップス傘下にあったLumileds株80.1%を30億ドルで買収しようとした。
しかし2016年1月、CFIUSはこの取引を否決した。LED製造に関わる軍民両用の半導体技術が、中国共産党当局の影響下に置かれることへの懸念が理由とされた。
三安光電には最近、逆風が続いている。同社は今月8日の公告で、副会長兼総経理の林科闖が中共当局に留置され、立件されて調査を受けていると明らかにした。この件は、同社の実質支配者である林秀成が3月末に当局に留置され、立件調査を受けてから、わずか半月後のことだった。林科闖は林秀成の娘婿だ。
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