価格統制が数百万人のアメリカ人からクレジットカードを奪う

2026/04/20
更新: 2026/04/20

映画『卒業』には、若きダスティン・ホフマンが実業家から「プラスチック」という一言だけのキャリアアドバイスを受ける有名なシーンがある。

その実業家はクレジットカードのことを指していたわけではないが、そうであったとしても不思議ではない。1960年代、クレジットカードを所有していたアメリカ人はわずか約半数であった。今日では、我々の約90%が所有している。私はこれを「信用の民主化」と呼んでいる。

この決済手段の革命は、買い物客、小売業者、オンライン企業、銀行、記録管理者など、あらゆる人々に利益をもたらしている。クレジットカードは、偉大なるアメリカの経済エンジンを円滑に動かすための「潤滑油」であると言っても過言ではない。

今日、レジでプラスチックカードをスワイプする代わりに、スマートフォンをタップする光景が増えている。合計すると、現在、消費者による購入の3件に1件がクレジットカードで行われている。最近では、「申し訳ありませんが、現金は使えません」という掲示を出している店も見かけるようになった。

しかし今、ワシントンの政治家たちの中には、現状に余計な口を挟もうとする者がいる。彼らは物価を「より手頃にする」ためとして、クレジットカード会社が加盟店に課す手数料に価格統制を導入しようとしている。さらに悪いことに、クレジットカードの支払い遅延に対する金利を10%に制限しようと画策しているのだ。

利息のペナルティを下げたいという衝動は理解できる。アメリカ人は依然としてバイデン政権下のインフレの痛みに苦しんでおり、現在はイラン紛争の影響でエネルギー価格も高騰しているからだ。

しかし、善意が経済の法則を覆すことはできない。「Unleash Prosperity Now」による最近の分析結果は衝撃的だ。金利を10%に抑えても消費者のコストは下がらず、逆に数千万人が信用(クレジット)へのアクセスを絶たれることになる。この結論は、全米のカード市場の4分の3をカバーする広範な業界調査に裏付けられたものである。

金利を10%に制限すれば、現在開設されている全クレジットカード口座の半分以上が閉鎖されるか、利用限度額が大幅に引き下げられる結果となる。これは、1億人以上のカード保有者が、容易に信用を利用できなくなることを意味する。

特に脆弱なのは、サブプライム層またはそれに近い信用スコアを持つ低所得層のアメリカ成人の3分の1である。特に若年労働者や、経済的な挫折から立ち直ろうとしている人々、あるいは一時的に職を失った人々が深刻な影響を受ける。

こうした家族の多くにとって、クレジットカードは贅沢品ではない。車の修理代や医療費、あるいは家計が苦しい月末の食料品代を賄うための手段なのだ。連邦準備制度理事会(FRB)のデータによれば、アメリカの成人の37%が、貯蓄だけでは400ドルの緊急支出を賄うことができない。クレジットカードは彼らのセーフティネットなのである。

被害を受けるのはサブプライム層の借り手だけではない。我々の調査では、カードを責任を持って利用している優良な(プライム層の)借り手であっても、10%の上限が課されれば利用限度額が削減されることが判明した。

また、2021年にイリノイ州が金利上限を導入した際、低信用世帯のクレジットカードへのアクセスが3分の1以上減少したことも分かっている。

15%から20%という「妥協案」的な上限設定であっても問題がある。昨今、金利が上昇傾向にあるため、数百万の家族がカードへのアクセスを失うか、限度額の引き下げに直面することに変わりはない。

米国に本当に必要なのは、金融リテラシーの向上である。クレジットカードは「今買って、後で支払う」という(政府のような)考え方のためのものではない。高い手数料は、未払いの請求額を膨らませないための抑止力として機能している。支払いが期限通りに行われない場合、クレジットカード会社はほとんどの場合、損失を被るのである。

「壊れていないなら直すな」という古い格言がある。市場に任せるべきだ。この分野には、4大カード会社とそれを発行する多数の銀行が存在し、自由市場の競争が十分に働いている。市場に判断を委ねるべきであり、政治家は自分たちの未払い請求書、すなわち40兆ドルに近い国家債務の問題に専念すべきである。

この記事で述べられている見解は著者の意見であり、必ずしも大紀元の見解を反映するものではありません。