「崩れゆくグリーン・ウォール」 気候変動会議で専門家らが気候リアリズムを議論

2026/04/20
更新: 2026/04/20

私のキャリアの中で出席してきた数百もの会議の中でも、4月8日と9日にワシントンD.C.で開催された第16回「気候変動に関する国際会議」は、間違いなく最高のものの一つであった。数十に及ぶプレゼンテーションは十分に調査されており、テーマに即しており、内容、ユーモア、そして見せ方のバランスが絶妙であった。

そう、「見せ方(ショーマンシップ)」だ。これほど熱のこもった会議において、それは重要なスキルである。2日目の締めくくりの夕食会で基調講演を務めたマーク・モラノ氏を例に挙げよう。ワシントンD.C.を拠点とする保守系シンクタンクCFACT(Committee for a Constructive Tomorrow:建設的な明日のための委員会)が運営する、気候変動に関するニュースサイト「Climate Depot」の創設者であり、2021年の著書『Green Fraud(緑の詐欺)』の著者でもあるモラノ氏には、他者の追随を許さないほど聴衆を惹きつける能力がある。

彼が話を始めたとき、私や周囲の数人は、長時間の会議による疲れが見え始めていた。しかし、気づけば30分が経過しており、モラノ氏の講演が終わる頃には、誰もが疲れを忘れていた。彼は「さあ、楽しもうじゃないか」と宣言してスピーチを始めたが、まさにその通りの時間となった。

モラノ氏のプレゼンテーションのタイトルは「大いなる拒絶:意気揚々たるトランプ、反撃を受けることなく気候アジェンダを解体する」というものであった。

欧州の「グリーン・ウォール」に生じた亀裂

保守・リバタリアン系の非営利シンクタンク「ハートランド研究所」が主催したこの会議では、環境保護局(EPA)のリー・ゼルディン局長が冒頭の基調講演を行った。

2日目の幕開けを飾ったのは、ハートランド研究所英国支部の責任者である、快活なロイス・ペリー氏による優れた基調講演であった。彼女は、自国(英国)のような国が「ウォーク(Woke)」な気候アジェンダに従った場合に何が起こるかという教訓的な話を披露した。その後、ペリー氏は自身が関与してきた最近の進展、特に、気候リアリストであるリフォームUKの党首ナイジェル・ファラージが首相候補の筆頭に躍り出る一助となったハートランドの貢献について語った。

「私とハートランド研究所は、信念ある思想、徹底した調査、そして不屈の対話こそが、国境を越え、政府の最高レベルで政策を動かせるのだと証明しました。

しかし、この歩みを止めてはなりません。皆さんのような支援があって初めて、この活動は継続できるのです。私たちは、世の中の『語られ方(ナラティブ)』を変えました。今、政治を塗り替えつつあります。そして、これは序章に過ぎません。

私たちは、単なる『合意』を『真剣な議論』へと引き戻し、ただの『懐疑』を『具体的な行動』へと変貌させました。欧州を覆っていた、いわゆる『グリーン・ウォール(環境至上主義の壁)』は今、音を立てて崩れ始めています」

「裸の王様」とIPCCの嘘

物理学者であり気候アナリストのジョナサン・コーラー氏による「気候の王様は裸だ! ―― 嘘の連鎖で築かれたIPCC『38年帝国』の正体」と題されたプレゼンテーションが示唆する内容は、実に重大である。

「何十年もの間、IPCCは『指標』を確定した科学として世界に示してきた。しかし、それらはすべて物理学的なフィクションである」と、国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC:Intergovernmental Panel on Climate Change)に言及してコーラーは切り出した。

「この部屋にいる多くの人々は、これらの嘘を受け入れたまま解釈を争ってきた。1.1度の気温上昇は危険か? エネルギーの不均衡はネットゼロを正当化するほど大きいか? といった問いは、それらの数値が実在することを認めてしまっているが、実際には存在しないのだ」

「38年間にわたり、IPCCは数式、衛星データ、スーパーコンピュータのモデル、さらにはアカデミー賞やノーベル賞で飾り立て、実在するかのような枠組みを誇示してきた。しかし、それは自分の尾を飲み込む蛇のようなものだ。5つの嘘がそれぞれ次の嘘を正当化しているように見えるが、その輪の中身は実際には空っぽである」

コーラーの講演を視聴すれば、世界平均表面温度、海洋熱容量、地球のエネルギー収支など、IPCCや政府、メディアが我々を屈服させるために用いる指標がいかに架空のものであるかを理解できるだろう。

次世代への希望

数十年にわたり気候リアリズムのために戦ってきた我々にとって特に新鮮だったのは、「若者を気候リアリストの陣営に引き入れる」というパネルディスカッションであった。気象学者のクリス・マーツ氏、ソーシャルメディア・インフルエンサーのルーシー・ビガーズ氏、テネシー大学の学生エマ・アーンス氏、ハートランド研究員のリネア・ルーケン氏、そしてCO2リミテッドのメンバーであるアニカ・スウィートランド氏らが登壇した。

スウィートランド氏のプレゼンテーション「私の気候への目覚め」は、彼女が10代の頃、気候変動によって世界が終わるという恐怖に怯えていたこと、そして西オーストラリア大学で気候学の学士課程に在籍していた際、気候不安を煽る活動家になるよう仕込まれていた様子を語るところから始まった。

「私は好奇心を持つべきところで、恐怖を教えられた。そして最も重要なことに、証拠を見る前に結論を教え込まれた。偶然証拠を見つけたときでさえ、それは現在の苦境とは全く無関係だと断言された。それは誰もが従い、誰も疑問を抱かないナラティブであった。議論は許されなかった」

「私の故郷である地球が死にかけている。誰も何もしないことにパニックを感じた。それは私を不安にさせ、惨めな気持ちにさせ、そして怒りへと変わった。なぜ人々は関心を持たないのか! 私は完全に彼らの術中にはまっていたのだ」

さらにスウィートランド氏はこう続けた。

「世界中の子供たちが、自分たちの家(地球)は不安定で危険であり、崩壊の危機に瀕していると聞かされている。洪水、火災、嵐は、理解すべき自然現象としてではなく、破滅の証拠として提示される。そして、もし疑問を呈すれば、学校は親に連絡を入れるのだ」

「このような事態を放置するのは極めて無責任である。これらの物語が与える心理的影響は子供たちのメンタルヘルスを損なっており、到底受け入れられるものではない。英国で不安神経症と診断された学齢期の子供の割合は2000年から2023年の間に3倍になり、米国でも同時期に2倍になった」

スウィートランド氏はその後、ハッシュタグ運動(#factcheck や #myclimatewakeup など)を仕掛けることで、何百万人もの若者が気候リアリズムを支持して声を上げるよう促すなど、若い世代の知的自立をいかに促進できるかについて詳述した。

結びに

マーク・モラノ氏がが鮮やかに描き出した通り、そして世界中の主要メディアがうろたえ始めている通り、今や『気候リアリズム』はついに勝利の時を迎えようとしている。この第16回国際会議は、その歴史的な転換点を我々全員で分かち合い、祝うための最高の舞台となった。

この記事で述べられている見解は著者の意見であり、必ずしも大紀元の見解を反映するものではありません。