中国 4月の外資直接投資は26.1%減 外資撤退とデータ規制で投資縮小 景気減速鮮明

2026/05/26
更新: 2026/05/26

中国の4月の外資直接投資(FDI)は前年比26.1%減と大幅に落ち込んだ。外資の債券売却やデータ規制強化を背景に投資環境は悪化し、プライベートエクイティ(PE)の事業撤退も加速。消費と投資の鈍化が重なり、中国経済の減速が一段と鮮明になっている。

中国商務部が発表した最新データによると、4月の外資直接投資(FDI)は前年比26.1%減となった。外資の中国本土からの撤退が続いており、外資による中国債券の保有残高は5年ぶりの低水準に落ち込んだ。また、一部の国際的なPE機関も、中国での事業売却を進めている。

中国商務部が5月23日に発表したデータによれば、1〜4月の人民元建てFDIは2876億9千万元(約6兆2千億円)で、前年同期比10.3%減となった。

外資直接投資(Foreign Direct Investment、FDI)は一般に外資と呼ばれ、外国企業が利益獲得を目的として、ある国や地域に対して行う投資を指す。通常、外国企業は現地企業と共同で会社を設立し、多国籍企業や国際企業を形成する。外資は中国当局にとって、中国経済を支える重要な要素の一つとされている。

中国商務部は通常、累計データ(例:1〜3月、1〜4月)のみを公表するため、市場ではこれを基に単月データを推計している。4月単月のFDIは380億9千万元(約8200億円)で、前年比26.1%減となり、前月比でも56.7%の大幅減となった。

業種別に見ると、1〜4月の製造業FDIは788億8千万元(約1兆7千億円)、サービス業FDIは2041億5千万元(約4兆4千億円)であった。製造業およびサービス業のFDIは、それぞれ前年比6.2%減、11.7%減となった。

また、中国人民銀行が5月18日に発表したデータによると、外資は中国の銀行間市場の債券を12か月連続で売り越している。4月末時点での外資による銀行間市場債券の保有総額は3兆1200億元(約6兆7千億円)となり、2020年11月以来の最低水準となった。

中央国債登記結算有限責任公司(中債登)および銀行間市場清算所股份有限公司(上海清算所)のデータによると、4月に外資は中国国債を約100億元(約2200億円)売却し、政策性金融債券を200億元以上売却した(減少幅は昨年7月以来最大)。さらに、銀行の譲渡性預金(CD)を400億元以上売却し、その保有規模は2023年10月以来の最低となった。

データ規制強化でデジタル投資が縮小

英国紙『フィナンシャル・タイムズ』の報道によると、中国当局がより厳格なサイバーセキュリティおよびデータ保護制度を導入したことで、外資によるデジタルインフラの保有は一段と困難になっている。このため、世界のPE企業は中国のデータセンター事業を相次いで売却しており、外資による中国デジタルインフラ投資ブームはほぼ終焉を迎えている。

ベインキャピタル(Bain Capital)やカーライル(Carlyle)などのプライベートエクイティファンドに続き、ニューヨークのウォーバーグ・ピンカス(Warburg Pincus)の出資を受けるプリンストン・デジタル・グループ(PDG)は、中国6都市で展開するデータセンターを10億ドル(約1500億円)で売却することを検討している。

2025年には、ベインキャピタルが傘下のBridge Data Centers(BDC)の中国データセンター事業を、深セン東陽光グループが主導するコンソーシアムに40億ドル(約6千億円)で売却した。

カーライルは2020年、転換社債を通じて中国のデジタルインフラ企業である世紀互聯(VNET Group)に投資したが、その後2年間にわたり、リファイナンスや持分譲渡などを通じて中国の国有資本および電池メーカーの寧徳時代(CATL)に売却し、同社への投資から完全に撤退した。

外資の撤退が進む一方で、中国経済の減速も鮮明になっている。4月の各種経済指標は引き続き低調で、消費と投資も同時に落ち込んでいる。

中国国家統計局が5月18日に発表したデータによると、4月の全国の一定規模以上工業企業の付加価値は前年比4.1%増で、2023年7月以来の低水準となり、3月の前年比5.7%増も下回った。また、4月の社会消費品小売総額は前年比0.2%増にとどまり、2022年12月以来の最低水準となった。

任義