中共官製メディア記者 チェコで初公判へ 外国勢力への無許可活動罪を初適用

2026/06/04
更新: 2026/06/04

中国共産党(中共)の官製メディア「光明日報」のプラハ駐在記者、楊芸明が、4か月にわたる勾留を経て、近く初公判に臨む見通しだ。

楊は、中共の情報機関のために活動していたとされる。台湾に友好的なチェコ政界関係者の弱みとなる情報を、長期にわたり収集していた疑いがある。検察は「外国勢力のために無許可で活動した罪」で楊を起訴した。同罪で起訴されるのはチェコで初めてで、有罪となれば、最高で5年の禁錮刑が科される可能性がある。

チェコ公共ラジオ「iROZHLAS.cz」が6月2日に報じたところによると、プラハ市裁判所の報道官、カテジナ・エリアーショバー氏は、同裁判所がこの事件を審理すると明らかにした。

エリアーショバー氏は「当裁判所が被告に対する起訴状を受理した。起訴内容によれば、被告は外国勢力のために無許可の活動を行った疑いがある。事件は現在も審理中であり、これ以上の情報は提供できない」と述べた。

報道によると、この事件はプラハ高等検察庁が捜査を監督し、検察は5月15日に楊を正式に起訴した。通常、この種の事件は地方裁判所が扱うが、今回は国家安全保障に関わるため、より上級の市裁判所が担当する。正式な公判期日はまだ決まっていない。

楊は「光明日報」のプラハ特派員として活動していたが、実際には中共情報機関のために動いていたとされる。プラハでは、政界や学術界の特定の人物を監視し、情報を集めていた疑いがある。具体的には、台湾に友好的なチェコ上院議長、ミロシュ・ヴィストルチル氏や、マルケータ・ペカロヴァ・アダモヴァ前下院議長に関する弱みとなる情報を集めようとしていたという。

楊は長年にわたりチェコで活動し、チェコやスロバキアの複数の政治家に取材していた。チェコ政府はこれまで、楊の記者証と滞在許可を複数回延長していた。

チェコ警察は今年1月、楊を拘束した。プラハ第8区裁判所は1月19日、犯罪を継続する可能性や逃亡の恐れがあるとして、楊の勾留を決定した。

プラハ第8区裁判所の報道官、ヤナ・フメニー氏は3月、「勾留決定は維持され、被告側の抗告はプラハ市裁判所によって棄却された」と述べた。

報道によると、この中共の諜報員は勾留に異議を申し立てた一方で、刑事訴追自体には異議を申し立てなかった。プラハ高等検察庁の重大経済・金融犯罪部門長、マルティン・ビリー氏は「被告は所定の期限内に、検察の起訴手続きに対する異議を申し立てなかった」と確認した。

「外国勢力のために無許可で活動した罪」は、スパイ罪や機密情報の保護を脅かす罪と同じく、チェコ刑法の「共和国、外国国家および国際機関に対する犯罪」の章に含まれている。最高刑は5年の禁錮刑である。

今回の起訴は、チェコ刑法第318a条に基づくものだ。同条は昨年2月に施行され、外国勢力のために安全保障上重要な情報を収集する人物を主な対象としている。特に、ロシアや中共の情報活動に関係するとみられる事案への適用が想定されている。